地球の自転が加速中!史上初の「負のうるう秒」導入でインターネットに“壊滅的な影響”?

あなたの知らないうちに、地球の1日がほんの少しだけ短くなっている。そう聞いたら、あなたはどう思うだろうか。
原子時計を持つ超人でなければ気づくことはないが、最近、地球は異常な速さで自転している。いくつかの日では、1日が本来の24時間よりも1ミリ秒以上も短くなっているのだ。
このわずかな変化が、私たちの生活を支えるテクノロジーを脅かし、史上初となる「負のうるう秒」の導入、そして巨大テック企業との全面対決という、前代未聞の事態を引き起こすかもしれない。
地球の自転が加速中、犯人は「月」?
地球の1日は、きっちり24時間というわけではない。地球内部の核の動き、大気圧の変化、海流、そしてエルニーニョのような大規模な気象パターンなど、数多くの要因が自転速度に影響を与え、常にコンマ数ミリ秒単位で揺れ動いている。
しかし、最近観測されているのは、そうした通常の変動とは一線を画す、異例の「加速」だ。TimeandDateの速報データによれば、今年の7月9日は約1.23ミリ秒、7月10日は約1.36ミリ秒も1日が短かったという。
この加速の主な容疑者として名前が挙がっているのが、地球の最も身近な隣人、「月」だ。月の引力は地球に潮汐力を生み出し、海水の分布、ひいては地球全体の質量バランスを変化させる。現在、月は地球の赤道から比較的遠い位置にあり、その引力がわずかに弱まっている。これが地球の自転にかかる「ブレーキを緩め」、ほんのわずかながら回転を速めているのではないか、と考えられているのだ。

「負のうるう秒」とは何か?
「たった1ミリ秒」と侮ってはいけない。この些細なズレは、GPSナビゲーション、金融取引、通信システムなど、超精密な時間管理に依存する現代技術にとっては致命的になりかねない。
そこで、このまま地球の自転加速が続けば、国際的な時間管理者は「負のうるう秒」という前代未聞の手段に打って出る可能性がある。
これまで、地球の自転は長期的には遅くなる傾向にあった。そのため、原子が刻む極めて正確な「原子時」と、地球の自転に基づく「天文時」のズレを修正するため、1972年以降、時々1秒を追加する「うるう秒」が実施されてきた。
しかし今回はその逆だ。加速する地球に合わせて、時計の針から1秒を「引く」という、歴史上誰も経験したことのない調整が必要になるかもしれないのだ。この議論は、気候変動による氷床融解が地球の自転を加速させるという数年前からの指摘もあり、再び熱を帯び始めている。
巨大テック企業が猛反発する理由
この「うるう秒」という仕組みに、声高に反対している者たちがいる。Meta、Google、Amazon、Microsoftといった、世界のITインフラを支える巨大テック企業だ。
彼らは、「うるう秒が導入されるたびに、コミュニティは壊滅的な打撃を受ける。利益よりも損害のほうがはるかに大きい」と主張する。その懸念は杞憂ではない。2012年には、うるう秒の処理が原因で、大手掲示板サイトRedditが大規模なシステム障害に見舞われたという実例もある。
これまででさえ厄介だった「うるう秒」。ましてや、一度も実施されたことのない「負のうるう秒」が何を引き起こすかは、誰にも予測できない。Metaは、「大規模にテストされたことのない負のうるう秒は、タイマーやスケジューラーに依存するソフトウェアに“壊滅的な影響”を与える可能性がある」と、強い警告を発している。
地球の物理法則と、現代文明を支えるデジタル世界の論理。その間で揺れ動く「1秒」の行方から、目が離せない。
参考:IFLScience、ほか
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2024.10.02 20:00心霊地球の自転が加速中!史上初の「負のうるう秒」導入でインターネットに“壊滅的な影響”?のページです。自転、GAFA、閏秒などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで