オーパーツ「フエンテ・マグナ」の謎、“豚用の桶”から発見された“ありえない文字”とは

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フエンテ・マグナ By none – https://fishki.net/1799967-zagadochnye-nahodki-3/gallery-2851926-chasha-fujente-fuente-magna-i-statuja-iz-pokotia-photo.html, CC BY-SA 4.0, Link

 もし、コロンブスがアメリカ大陸に到達する数千年も前に、旧大陸と新大陸の間で交流があったとしたら…?歴史の常識を根底から覆す、そんな可能性を示唆する一つの遺物(オーパーツ)が、南米ボリビアに存在する。その名は「フエンテ・マグナの杯」。一見すると、アンデス文明のありふれた土器。しかし、その内側に刻まれていたのは、この地にあるはずのない、古代メソポタミアの「シュメール文字」だったのだ。

“家畜用の桶”から始まった世紀のミステリー

 この奇妙な遺物が発見されたのは1950年代のこと。ボリビアのチチカカ湖近くの農場で、一人の労働者が、大きな石の杯を発見した。彼はそれを、ただの古い器だと思い、なんと「豚たちに水をやるための容器」として使い始めたという。

 数年後、この“豚用の桶”は考古学者の目に留まり、ついにその驚くべき価値が明らかになる。杯の内側には、現地のティワナク文化のものと思われる図像と共に、これまでアンデス地方では全く見られなかった、謎の楔形文字が刻まれていたのだ。

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画像は「Espacio Misterio」より
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画像は「Espacio Misterio」より

アンデスに刻まれたシュメールの女神への祈り

 この謎の文字の解読に挑んだのが、言語学者のクライド・アーマッド・ウィンターズ博士だ。彼は、この文字が古代メソポタミアで使われていた「原シュメール文字」であると特定。そして、その内容を解読した結果、さらに衝撃的な事実が判明する。

「偉大なるニアの名において、大いなる庇護を授けられし者に、未来において近づきなさい…」

 刻まれていたのは、シュメール神話の創造神である女神「ニア」への、神託や祈りの言葉だったのだ。杯に描かれたカエルのような図像も、豊穣のシンボルであり、女神ニアを表しているとウィンターズ博士は分析する。

 紀元前3000年頃にメソポタミアで栄えたシュメール文明。その文字が、なぜ地球の反対側にあるボリビアの奥地で発見されたのか。従来の歴史観では到底説明がつかない。

巧妙な偽造品か、歴史を覆す証拠か―専門家たちの激しい論争

 もちろん、この“ありえない遺物”に対して、懐疑的な見方も根強い。

 考古学者のカール・フェイガンズ氏は、そもそも「家畜用の器として使われていた」という発見時のエピソード自体が、数十年後の曖昧な証言に基づいたものであり、科学的な信憑性に欠けると指摘する。また、仮に杯が本物だったとしても、近代の旅行者が中東から持ち込み、それが偶然ボリビアの地中で発見されただけではないか、というわけだ。

 さらに、シュメール語の専門家たちは、その文字の信憑性そのものに疑問を呈する。本物の楔形文字が整然と並んでいるのに対し、フエンテ・マグナの文字は、まるで楔形文字を見よう見まねでコピーしたかのような、稚拙で不揃いなものだというのだ。

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画像は「Espacio Misterio」より

未解読の謎―歴史の“公式見解”への挑戦

 巧妙に作られた現代の偽造品か。それとも、古代アンデスとメソポタミアの間に、我々の知らない交流があったことを示す、歴史を覆す証拠なのか。

 フエンテ・マグナの杯をめぐる論争は、今もなお続いている。それは、歴史の“公式見解”という確立された物語と、それに収まりきらない“ありえない遺物(オーパーツ)”との、終わりのない戦いなのかもしれない。

参考:Espacio Misterio、ほか

TOCANA編集部

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