人肉食、裏切り… 129人が全滅「フランクリン遠征」で本当は何が起きていたのか? 最新調査が明かす“ホラーを超えた”難破船の恐怖
人類の探検史上に残る175年前の悲劇、乗組員129名が全滅した「フランクリン遠征」――。厳寒の北極で難破した船の乗組員たちに何が起こったのか。研究者たちがフランクリン遠征の“真実”に肉薄している。
■隊員129人が全滅した「フランクリン遠征」
1845年に北極探検の航海に出た2隻の英海軍所属艦、HMSエレバスとHMSテラーを率いていたのがジョン・フランクリン海軍大佐である。ヨーロッパとアジアを結ぶ北西航路の完成のための調査を目的に旅立った「フランクリン遠征」でいったい何が起こっていたのか。
隊員129人全員の命を奪い、過去1世紀半にわたり人々の想像力をかき立ててきたフランクリン遠征について現在、カナダの研究者は探検隊の運命に関する新しい手がかりを見つけ出そうとしているようだ。

難破した後に沈没したと思われた2隻の軍艦は長らく発見されていなかったのだが、遭難から169年後の2014年になって、ようやくビクトリア海峡の海底に眠るHMSエレバスが発見され、続いて2016年には、さらに北方の海底でHMSテラーがダイバーによって確認された。船内からは靴や陶器の皿から船の鐘や中尉の肩章まで、すでに何百もの物品が回収されている。
実は昨年、この2隻の沈没船に対するさらに大掛かりな調査が予定されていたのだが、コロナ禍によって断念せざるを得なくなり今日に到る。調査はこの夏に延期されているのだが、実施できるのかどうかは今のところは不透明であるということだ。
船は流氷の中での操縦を可能にするために蒸気駆動のプロペラが装備されており、船倉は3年間分の缶詰をはじめ潤沢な食糧と物資が積載されていた。それは当時最も準備が整った海洋遠征の1つであったにもかかわらず、乗組員たちにどんな災いが降りかかったというのか。
生存者が1人もいないことから遭難後の遠征隊の足取りはあまりよくわかっておらず今も謎に包まれたままである。
船内には十分な物資があったことから、ある程度の期間は生き延びられたと考えられているのだが、絶望的な状況の中で隊員たちの間では、上官に対する謀反や派閥による対立、裏切りなど、さまざまな人間ドラマがあったことが推測されている。食糧が尽きた後は死んだ隊員の遺体を食べる人肉食が行われていた形跡も残っているのだ。
こうしてかろうじて得られた手掛かりを基に、アメリカ人作家のダン・シモンズが2007年に『The Terror』(邦訳『ザ・テラー 極北の恐怖 』早川書房)という冒険ホラー小説を出版してベストセラーになった。そして2018年3月にはこの小説を原作にしたテレビシリーズ『The Terror』(AMC)の放送がはじまっている。
ドラマは乗組員たちの分裂と内紛がフランクリン遠征の最終的な失敗に繋がったというシモンズの架空の推測に基づいている。しかし事実はどうであったのか?
考えられる可能性として、乗組員がボツリヌス中毒に襲われたとする説や、密封が不十分な缶詰による鉛中毒に苦しんだとする説もある。
またはフランクリン大佐の采配に落ち度があったとする説もあるようだ。わかっているのは生き残った乗組員が最終的に両方の船を放棄し、キングウィリアム島を歩いて南に向かったことだ。遺体の骨の傷から、死ぬ直前には人肉食を行っていた形跡があることもわかっている。

■沈没船の調査再開に期待
ロンドンの国立海洋博物館の上級学芸員であるクレア・ウォリアー氏は、遠征が手ひどく失敗した理由は依然として不明なままであるが、我々の理解は事務処理によって変わると指摘する。その事務処理とは、早ければ今年の夏に再開されるダイバーによる沈没船調査のことである。
「エレバスとテラーの書類が密封された箱や引き出しに保管されていたとしたら、それらは非常に冷たく暗い海に浸かっても生き残っているかもしれません。日記や書き残されたメモは、何が起こったのかを理解するという点で最も意味のあるものを生むでしょう。それが私たちが見つけることを望んでいるものです」(クレア・ウォリアー氏)
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2024.10.02 20:00心霊人肉食、裏切り… 129人が全滅「フランクリン遠征」で本当は何が起きていたのか? 最新調査が明かす“ホラーを超えた”難破船の恐怖のページです。仲田しんじ、沈没船、遭難、難破船、北極、人肉食、探検、裏切り、フランクリン遠征、英海軍などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
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