【未解決事件】9人怪死「ディアトロフ事件」にまさかの新説登場 → しかし残された大いなる謎とは!?
ウラル工科大学学生と卒業生、男性7人、女性2人からなる上級者スキーヤーのグループは、1959年1月27日、北ウラル山脈の支脈ホラチャフリからオトルテン山へと横断することを目的に14日間の遠征に出発した。60年後の現在まで語り継がれるミステリー、「ディアトロフ峠事件」は、こうして幕を開けた――。
■謎の冬山遭難死亡事故「ディアトロフ峠事件」に科学のメスが入る
彼らは、最終地点であるヴィジャイ村から連絡を入れるはずであったが、何日待っても連絡は来なかった。
捜索隊がホラート・シャフイル山に送られた。その結果、まず初めに5人の遺体が発見され、2カ月後には残り4人の遺体が見つかった。遺体の状態は実に奇妙で、ろっ骨や頭蓋骨を骨折した遺体、下着姿で裸足の遺体、眼球や舌がなくなっている遺体が見つかった。
冬山の経験豊富なグループが、下着姿のまま靴を履かずにテントから逃げ出した事件は、世間の注目を呼んだ。
ソビエト当局は報告書で、9人の死亡者は全員「克服不可能な未知の要素」によって死亡したと結論付けた。
しかしこの発表に満足する者はおらず、エイリアンによる誘拐説をはじめ、超常現象、雪崩、テント内の火事、雪男や原住民による襲撃、ロシア軍による秘密兵器のテストまで、約75の奇妙な陰謀説が現在まで唱えられてきた。
そして今回、スイス連邦工科大学ローザンヌ校と同チューリッヒ校の科学者たちは、コンピューターモデルと3Dスキャンを駆使し、ディアトロフ峠の謎に挑んだ。
その結果、この惨劇は、「スラブ雪崩(板状に圧縮された表層の雪が崩れ落ちてくる雪崩)」によって引き起こされた可能性が高いと発表した。
同大学雪崩シミュレーション研究所責任者であるジョアン・ゴーム博士は、「雪崩と局所地形に関するデータを使用したところ、小さなスラブ雪崩が緩やかな斜面で発生した場合、痕跡がほとんど残らないことを証明しました」と述べている。
またこのモデルでは、学生グループがテント設営のために雪の斜面を削ってから、9時間半から13時間半の間に雪崩が発生したことが示されている。これは、事件の発生時刻に関する証拠と一致する。
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