謎の天体「3I/ATLAS」、国連公認ネットワークが“監視対象”に ― 人類は今、何を警戒しているのか?

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By International Gemini Observatory/NOIRLab/NSF/AURA/Shadow the Scientist, CC BY 4.0, Link

 TOCANAでもたびたび取り上げてきた、太陽系外から飛来した謎の訪問者「3I/ATLAS」。ハーバード大学のアヴィ・ローブ教授が「彗星に偽装した宇宙船の可能性がある」と発言し、世界をざわつかせているこの天体に、今、各国の宇宙機関が注目している。

 国連が承認する惑星防衛ネットワーク「国際小惑星警報ネットワーク(IAWN)」や欧州宇宙機関(ESA)は、この3I/ATLASを観測・追跡対象の一つとして登録。正式な「地球脅威リスト」ではないものの、史上初めて恒星間天体が本格的な国際監視キャンペーンの対象となったのだ。これは、単なる天体観測にとどまらない。人類が“太陽系外からの訪問者”を本格的に追跡する時代が、ついに始まったことを意味している。

なぜ注目されているのか―彗星の常識を覆す“異常”の数々

 IAWNや各国の天文学者が3I/ATLASを重点的に観測している背景には、この天体が示している数々の「異常な挙動」がある。

・太陽に向かう“逆向きのジェット”:通常、彗星の尾は太陽と反対方向に伸びる。しかし、3I/ATLASは太陽側にガスや塵を噴射しているように見える現象が報告された。

・奇妙な光の挙動:ハッブル宇宙望遠鏡の観測では、この天体が自ら発光しているかのような反射光が確認されている。

・金属的な成分の可能性:一部の分光観測では、天体表面にニッケルの存在を示唆するデータも得られており、これは人工物的特徴との類似を指摘する声もある。

 こうした要素から、IAWNおよびMPC(小惑星センター)は、11月下旬から約2か月間にわたって「彗星位置測定キャンペーン」を実施。世界中の望遠鏡や観測網が3I/ATLASを追跡する前例のない取り組みを開始する予定だ。

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「これは訓練ではない」―SNSで渦巻く憶測とNASAの沈黙

 IAWNはこの観測キャンペーンを「測定精度の検証と手法改善のため」と説明している。しかしSNS上では、「それは建前だ」「政府がこの天体を本気で脅威とみている証拠ではないか」といった憶測が飛び交っている。

「世界中の望遠鏡が同時に一つの天体を追うなんて、ただの演習とは思えない」
「惑星防衛ネットワークが動くということは、何かを警戒しているに違いない」

 さらに火に油を注いでいるのが、NASAの沈黙だ。米政府機関の一部閉鎖を理由に、同機関は3I/ATLASに関するコメントを控えており、公式発表はいまだ行われていない。

10月29日、審判の時―ローブ教授が予測する「オーベルトマヌーバ」

 そして、運命の日は刻一刻と近づいている。10月29日、3I/ATLASは太陽に最も接近する「近日点」を通過する。

 アヴィ・ローブ教授によれば、この時こそが、この天体がその正体を現す最大のチャンスだという。もし、これがただの彗星ならば、太陽の強烈な熱と重力で「粉々に崩壊するはず」だというのだ。

 しかし、もしこれが宇宙船ならば…?ローブ教授は、この天体が近日点通過のタイミングで、「オーベルトマヌーバ」と呼ばれる軌道変更を行う可能性を指摘する。これは、巨大な天体(太陽)の重力を利用して、最小限のエネルギーで宇宙船の速度と進路を劇的に変える技術だ。

「巨大な母船が、地球をかすめるように軌道を変え、小型の探査機を放出するかもしれない」(ローブ教授)

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アヴィ・ローブ教授 By Christopher MichelOwn work, CC BY-SA 4.0, Link

休暇は今のうちに?

「もし休暇を取りたいなら、10月29日より前に取っておくことだ。何が起こるかわからないのだから」。ローブ教授は、そう冗談めかして語る。

 果たして、3I/ATLASは、太陽の熱で燃え尽きるただの氷塊なのか。それとも、惑星防衛網の警戒をかいくぐり、地球に接近するための巧妙な軌道変更を行う、未知の知性体なのか。

 審判の日は、もうすぐそこまで迫っている。

参考:IFLScienceDaily Mail Online、ほか

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