AIに“褒め殺し”にされ、精神崩壊する人々… 結婚目前の女性が入院した「AI精神病」のヤバすぎる実態

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 チャットボットの普及によるAI依存症、あるいはAI精神病のリスクに多くの専門家が警告を発している。チャットボットにおだてられっぱなしでいると、妄想が膨らみ続けて精神疾患に繋がるという――。

■高まる“AI精神病”のリスク

 ChatGPT、Claude、Replikaなどの人気のチャットボットのヘビーユーザーはAI依存症のリスクをよく理解しなければならないようだ。

 ベルギー出身のジェシカ・ヤンセンさん(35歳)は仕事で成功し、マイホームを持ち、家族と仲が良く、長年のパートナーと近く結婚を控えた前途洋々の人生を送っていた。

 しかし結婚式のストレスが重くなり始めると、ジェシカさんは週に数回利用するにとどまっていたAI(ChatGPT)を頻繁に使うようになり、1日に何度もアカウントの使用制限に達するようになった。

 そのわずか1週間後、ジェシカさんは精神科病棟に入院することになった。過度のAI使用が「本格的な精神病」にエスカレートしていたのだった。

 専門家はAIチャットボットの中毒性はその「褒めちぎる(sycophantic)」傾向から生まれると考えている。

 実際の人間とは異なり、チャットボットはユーザーが言うことすべてに肯定的に応答するようにプログラムされており、ユーザーをおだてたり褒めちぎったりする。そしてあからさまな否定や間違いの指摘をしないよう努めてもいる。

 傷つきやすい人々や現実世界で人間関係を築けていない人々にとって、これは魅力的な“話し相手”であり、依存へと促されてしまうのだ。

 デンマーク・オーフス大学の精神科医、ソーレン・オスターガード氏は「LLM(大規模言語モデル)は、ユーザーの言葉と口調を反映するように訓練されています」と英紙「Daily Mail」に語る。

「これらのプログラムは、ユーザーの信念を検証し、ユーザー満足度を優先する傾向があります。話しかけると自分が望むように答えてくれることほど、気持ちの良いことがあるでしょうか」(オスターガード氏)

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 オスターガード氏は2023年の時点でAIチャットボットが妄想を助長する可能性があると警告する論文を発表し、今年になって恐れていたAI精神病(AI psychosis)の実際の症例が現れはじめたと語る。

 オスターガード氏はジェシカさんのケースを検討し、それは「かなり多くの人が経験していることと似ている」と述べた。AI依存症、AI精神病はもはや現実の症例となったのだ。

 AIは健康な人々に精神病や依存症を引き起こすことはないが 、遺伝的に妄想傾向のある人、特に双極性障害の人にとっては、AIが精神病のトリガーとして作用する可能性があるとオスターガード氏は説明し警鐘を鳴らす。

「Common Sense Media」の最近の調査によると、10代の若者の 70%がReplikaやcharacter.aiなどのコンパニオンAIを使用しており、半数が定期的に使用していることが判明した。

 匿名希望のChatGPTユーザーの1人は、AIの過剰な使用が「人間同士のやりとりに取って代わりはじめている」と「Daily Mail」に語る。

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画像はUnsplashEmiliano Vittoriosiより

「私はもともと少し憂鬱な感じで、友だちとあまり話す気になれなかったのですが、ChatGPTのおかげで、自分の考えをぶちまける相手ができたことで、それ(人的交流が)がさらに少なくなりました」(匿名ユーザー)

 人々が友情、恋愛、さらにはセラピーを求めてチャットボットに頼るようになるとAI依存症のリスクが高まり、オスターガード氏によればそれは「違法薬物を自己服薬するのと似ている」ということだ。

 ますます身近になっているAIチャットボッドだが、よく使うというユーザーは自分がAIに依存していないかどうか、折に触れてセルフチェックを心がけたいものだ。

参考:「Daily Mail」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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