【警告】AIが“バーチャル売春婦”を生み出す時、男たちは堕落する… 専門家が語る「AIセックス産業」が生む“虐待妄想”の恐怖

画像は「Mirror」より

 社会と生活のさまざまな側面で活用されているAI(人工知能)だが、エロティックな分野での活用が進むとどうなるのか――。すでにAIによる売春やバーチャルセックスボットがユーザー男性を堕落した虐待妄想に駆り立てているのだと専門家が警鐘を鳴らしている。

■AIセックス産業は何をもたらすのか?

 先日のトカナの記事で、OpenAIのCEO、サム・アルトマン氏はChatGPTにおいて2025年12月から「認証済み成人向けエロティックコンテンツ」を許可すると発表したことをお伝えしたが、一部の専門家はAIセックス産業がどこへ向かうのか懸念を表明している。

 作家のローラ・ベイツ氏は新著『The New Age of Sexism(性差別の新時代)』でAIのダークサイドを探求し、彼女はドイツ・ベルリンにある「サイバーブロテル」という“AI売春宿”を取材している。そこでは、客はまるで生きているかのような温かいシリコン製の「ラブドール」と性行為をすることができ、さらに複合現実VR技術によってその体験をさらに高めることができる。

 同社のウェブサイトでは、「身体感覚、想像力、そしてテクノロジーを全く新しい方法で融合させた、忘れられない複合現実体験」を謳っており、VRヘッドセットを通してポルノ映像を鑑賞すると、仮想の女優が現れ、目の前の人形と融合し、まるで俳優と物理的にインタラクションしているような感覚を味わうことができる。好みに合わせて人形を予約注文したり、特別なリクエストをしたりすることも可能であるという。

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「到着時にセックスロボットを用意してもらうこともできます」とベイツ氏はポッドキャスト番組「Should I Delete That?」で語った。

「血まみれのロボットを注文することもできますし、細かいカスタマイズもできます。私が到着する前に、彼女の服を切り裂いておくように頼みました。本当にやってもらえるか試したかったんです。そして何も聞かれることなく、彼らはそれをやってくれました」(ベイツ氏)

 ベイツ氏はチャットボットの発達によって、いつでも一緒にいられる自分専用のセックスドールを持つことが可能になったと考えている。

「大きな問題」は10代の少年たちが無料で好きなだけAIガールフレンドを持つことができるという点だが、仮想女性への虐待をオンラインで共有する男性が増えていることにベイツ氏は愕然としている。

「彼女たちをレイプの世界に引きずり込むこともできるし、虐待することもできるんです。実際、多くの男性が彼女たちを虐待し、そのスクリーンショットをオンラインで共有し合い、誰が彼女たちに最もひどく卑劣なことをできるか競い合っているんです」(ベイツ氏)

 上級心理療法士で依存症治療士のタリド・カーン氏は、AIを活用したアダルトエンターテインメントの増加が現実世界での親密さを脅かし、人間関係に問題を引き起こす可能性があると考えている。

「心理学的な観点から見ると、AIが生成するエロティカやいわゆる“AI売春宿”は、ファンタジーと真の親密さの間の溝を深める危険性があります。テクノロジーは時に安らぎや逃避感を与えてくれますが、人工的な性的行為への過度の依存は、孤立感、強迫的な行動、そして現実の関係に対する歪んだ期待を強めてしまう可能性があります」と彼は英紙「Mirror」に語る。

画像はUnsplashJames Yaremaより

「デジタルエロティカやバーチャルな交際が、特に自制心、愛着、孤独感といった問題を抱える人々にとって、既存の強迫的な性行動のパターンをいかに悪化させてしまうかを目の当たりにしてきました。脳の報酬系は人間の刺激と人工的な刺激を区別しないので、同じ渇望と脱感作(desensitisation)のサイクルが繰り返される可能性があります」(カーン氏)

 脱感作とは「感覚を鈍くすること」や「感受性の低下」を意味し、この場合はAIによる人工的な刺激に慣れて感覚が麻痺してしまうことを指している。そしてカーン氏は人間がAIキャラクターを虐待しても何の責任も問われないことを懸念している。

「より広範な倫理的懸念は、こうしたテクノロジーが、相互の同意や共感とは全く切り離された性体験をいかに容易に標準化してしまうかということです。感情的なつながりや関係性における責任が失われると、性行為そのものの人間的な側面に対する人々の感覚が麻痺してしまう危険性があります」(カーン氏)

 カーン氏はAIが急速に発展し続ける中で、業界規制が整備されなければ、社会にとって真の危険が生じると考えている。

 AIが性的空想を満たすためにも活用されることで人々のメンタルヘルスにどのような影響が及ぶのか。性行為において生身の相手を必要としない時代がすでに到来していることは間違いなさそうだ。

参考:「Mirror」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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