閉め切った部屋に“石の雨”が襲うポルターガイスト事件、原因は18歳少年の「怒りの念動力」だったのか

アルゼンチン・コルドバ州のリオ・テルセロで、ある家族を襲った不可解な現象が記録されている。2004年、ごく普通の家庭であるベニエ家の日常は、ある夜突然始まった「石の雨」によって破壊された。
18歳の息子アンドレスを中心に巻き起こったこの現象は、超常現象の典型例「ポルターガイスト」として、専門家や警察をも巻き込む騒動となったのだ。
突如始まった「石の爆撃」
悪夢は2004年2月25日の夜に始まった。一つの石が窓ガラスを割ったのを皮切りに、翌26日には6時間にも及ぶ「石の爆撃」がベニエ家を襲った。さらにその翌日には10時間も続き、その後も断続的に繰り返された。
投げ込まれる石は、近隣の山で見られる一般的なものだが、そのサイズは卵ほどの大きさから1キログラムを超えるものまで様々だ。この現象によって、ベニエ家の窓ガラスやシャッター、車のフロントガラスは穴だらけにされ、家の中は戦場のような有様となった。
警察もお手上げの不可解な軌道
当初、家族は何者かによる嫌がらせを疑った。しかし、警察が3日間にわたり家を監視した結果、外部からの攻撃説は否定された。16人の警官が家を取り囲む中、誰の姿もないのに石が飛んできたのだ。
さらに不可解なのは、石の動きだ。目撃者の証言によれば、石は物理的にありえない軌道を描いて飛来したという。ある時はテーブルの上を滑ることなくピタリと止まり、ある時は障害物を避けるようにカーブして窓に命中した。警察署長でさえ、目の前でガラスを粉砕した石の軌道を説明できず、困惑するしかなかった。
18歳の少年を中心とした超常現象か

一連の現象には奇妙な共通点があった。それは、必ず18歳の息子アンドレスが起きている時、そして彼の近くで発生しているということだ。
専門家は、アンドレスが現象の「震源地」であり、無意識のうちに念動力(サイコキネシス)を発動させている可能性を指摘した。彼は幼少期から多動や学習障害を抱え、当時はてんかんの持病もあった。心理テストの結果、彼は情緒不安定や衝動性を抱えており、社会や家族への不満を溜め込んでいることが分かった。
研究者のウィリアム・G・ロールによれば、ポルターガイスト現象の約70%は20歳以下の若者を中心に発生しており、抑圧された怒りやストレスが物理的なエネルギーとして放出される「反復性自発性サイコキネシス(RSPK)」である可能性が高いという。アンドレスの場合も、言葉にできないフラストレーションが石となって飛び交い、彼自身の葛藤を訴えていたのかもしれない。

終わりの見えない恐怖
家族は神父や霊能者、心理学者などあらゆる専門家に助けを求めたが、2004年のレポート時点では、現象は一向に収まる気配を見せていなかった。閉め切ったはずの部屋の中に突然石が現れ、テレビや鏡を破壊する日々。家族の誰も怪我をしていないのが唯一の救いだったが、彼らの精神的な疲労は限界に達していた。
その後の公式な続報はほとんど残されていないが、地元では「現象が数カ月かけて徐々に弱まり、家族は最終的に別の地域へ移り住んだ」と語られている。専門家の間では、アンドレスの心境や生活環境の変化によってRSPK現象が自然消滅したのではないか、という見方が有力だ。
果たして、ベニエ家に本当の平穏は訪れたのだろうか。アルゼンチンの田舎町で起きたこの騒動は、人間の心理と超常現象の境界線に横たわる、未解決のミステリーとして今も語り継がれている。
参考:Espacio Misterio、ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊閉め切った部屋に“石の雨”が襲うポルターガイスト事件、原因は18歳少年の「怒りの念動力」だったのかのページです。アルゼンチン、ポルターガイスト現象、念動、サイコキネシスなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
心霊最新記事
人気記事ランキング17:35更新
- ・「事故物件住みます芸人」松原タニシが選出! 最強の心霊物件・ヤバイ場所3選
- ・【心霊写真】墓地で撮影されたのは「50年前の子供」の亡霊なのか
- ・幽霊が多発する路線の駅員に聞いた“本当にあった怖すぎる話”!
- ・「ゴブリンの呪いだ」一家を襲う“謎の連続死”
- ・「絶対やってはいけない降霊術」4選
- ・「これ以上ない程の本物の心霊映像の撮影に成功」『怪談新耳袋Gメン ラスト・ツアー』インタビュー
- ・映画『死霊館』の“呪われた家”、前代未聞の争奪戦が勃発
- ・【心霊】戦後最大のビル火災「千日デパート火災」後に張り巡らされた“鏡の結界”とは…?
- ・おばけ探知機「ばけたん」幻のTOCANAバージョン復活!
- ・オンライン授業中に「顔面蒼白の少女霊」が出現