1892年「モスマン」が射殺されていた!? 翼開長5m、猿の顔と狼の爪を持つ“異形の怪物”との死闘と消えた死体の行方

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 1960年代、アメリカ・ウェストバージニア州を震撼させた「モスマン(蛾人間)」。だが、その伝説が生まれる遥か昔、19世紀末のカナダで、一人の青年がこの異形の怪物を「仕留めていた」という驚愕の記録が発掘された。

 1892年頃、カナダ・ケベック州の静かな村、サント・エメリー・ド・レナジー。そこで起きたのは、単なる未確認生物(UMA)の目撃談ではない。それは、銃弾を浴び、棍棒で殴り殺された「実体のある怪物」を巡る、生々しすぎる狩猟の記録である。

羊を襲う「巨大な影」の正体

 物語は、村の農家たちが正体不明の捕食者に悩まされていたことから始まる。毎夜のように羊小屋が襲われ、元気な子羊たちが次々と連れ去られていた。村人たちは当初、近隣に棲みつく熊の仕業だと考えていた。

 ある水曜日のこと。地元の有力な農場主の息子、ジョセフ・ラサール(当時23歳)は、二連式のライフルを手に熊狩りへと出かけた。村から8キロほど離れた森の奥深くに入ったとき、彼は頭上から響く「ダミ声の叫び」を聞く。

 見上げると、そこには巨大な鷲のような、しかし鷲にしてはあまりにも巨大な「何か」が旋回していた。

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銃弾と棍棒による凄惨な死闘

 名射手として知られていたジョセフは、その飛行物体に向けて引き金を引いた。重い銃弾を受けた怪物は、苦痛と怒りの悲鳴を上げながら地上へと墜落。ジョセフはなおも巨大な鳥だと思い込み、ライフルのもう一方の銃身で追撃し、最後は銃床で何度も殴りつけた。

 ようやく怪物が動かなくなったとき、ジョセフはその死体を見て腰を抜かした。そこにあったのは、この世の生物とは思えない「異形の融合体」だったのだ。

 彼は恐怖に駆られ、父と仲間を呼びに村へ走った。現場に戻った一行が詳細に計測した怪物のスペックは、以下の通りだ。

翼開長:約4.8メートル(15フィート)。
頭部:周囲約38センチ。巨大な「猿」に酷似していた。
胴体:全長約1.5メートル。背中は黒い羽根で覆われ、腹部は荒い毛皮状だった。
脚部:狼のような鋭い爪を持っていた。
:羽毛の下から「子牛の尻尾」のような長い突起が伸びていた。
重量:約136キロ。

 馬と同じくらいの巨体を持つその怪物を運ぶには、専用のチームが派遣されるほどの大ごととなった。

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19世紀の新聞に掲載された「怪物」の特徴を記した記述の一部 画像は「Journal News Online」より

消えた死体と「マギル大学」の沈黙

 この事件が単なる作り話ではない可能性を示唆しているのが、実名で登場する証言者たちの顔ぶれだ。怪物の死体を確認し、展示目的で購入したのは、ジョリエット市の市議会議員アルデリ・シャーランド氏だった。

 当時の新聞報道によれば、腐敗を防ぐ処置を施された怪物の死体は、列車でケベック州最大の都市モントリオールへと送られ、名門「マギル大学」の科学者たちによる鑑定を受ける予定だったという。

 だが、その後、この怪物がどうなったのかを記す公式な記録は一切残っていない。一説には、あまりにも既存の進化論や動物学を破壊する存在であったため、科学界の権威たちによって「隠蔽」され、大学の地下倉庫の奥深くに葬り去られたのではないかと囁かれている。

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モスマンの「前日譚」だったのか

 一見すると、当時の「イエロージャーナリズム(扇情的報道)」が作り上げたデマのようにも思える。だが、地元の国勢調査記録を洗ってみると、物語に登場するジョセフやシャーランド議員は、当時実在した名門家系の人々であることが裏付けられている。

 彼らのような名士たちが、揃いも揃ってこれほど荒唐無稽な嘘をつく理由があるだろうか。

 17世紀の北米には存在しないはずの「巨大コウモリ」か、あるいは1966年に現れる「モスマン」の先祖だったのか。日本の「鵺(ぬえ)」伝説にも似た、複数の動物を継ぎ接ぎしたかのような異形の怪物。ケベックの森に沈んだその真実は、今もマギル大学の埃を被った金庫の中で、誰かが扉を開けるのを待っているのかもしれない。

参考:Journal News Online、ほか

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