あらゆるウイルスに効く「万能ワクチン」がついに現実に!? スタンフォード大学が開発した“免疫システムの裏技”とは

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 インフルエンザやコロナウイルスが流行するたび、何度もワクチン接種を受けること、受けたほうがよいと勧められることにうんざりしている人も多いだろう。

 だが、そんなイタチごっこの歴史に終止符が打たれるかもしれない。

 スタンフォード大学の研究チームが、ウイルスだけでなく、細菌アレルギーにまで効果を発揮する「万能ワクチン」の開発に成功したというのだ。

 まだマウス実験の段階だが、これが実用化されれば、年に一度の点鼻スプレーだけで、あらゆる呼吸器系の脅威から解放される未来がやってくるかもしれない。

230年続いた「モグラ叩き」からの脱却

 これまでのワクチン開発は、特定の病原体(抗原)に合わせて作られるのが常識だった。

 例えば、インフルエンザワクチンは、その年に流行しそうな型を予測して作られる。しかし、ウイルスが変異してしまえば効果は薄れる。これが「230年間続いたワクチンのパラダイム」であり、終わりのないモグラ叩きだった。

 研究を主導したバリ・プレンドラン教授は、この常識を覆すため、免疫システムの根本的な仕組みに着目した。

 人間の免疫には、侵入者を即座に攻撃する「自然免疫」と、敵の特徴を記憶して精密攻撃を行う「獲得免疫」の2種類がある。

 自然免疫は反応が早いが、通常は数日で効果が切れてしまう。一方、獲得免疫は強力だが、敵を特定するのに時間がかかる。

 そこで研究チームは、「獲得免疫を使って、自然免疫を長期間フル稼働させ続ける」という裏技的なアプローチを考案したのだ。

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結核ワクチンからヒントを得た「免疫のブースト」

 ヒントになったのは、結核予防に使われるBCGワクチンだった。

 BCG接種後、肺の中の自然免疫細胞が数ヶ月にわたって活性化し続ける現象が確認されたのだ。これは、獲得免疫のT細胞が「もっと頑張れ」と自然免疫に指令を出し続けているためだった。

 このメカニズムを応用して開発された新ワクチン「GLA-3M-052-LS+OVA」をマウスに投与したところ、驚くべき結果が出た。

 新型コロナウイルス、黄色ブドウ球菌、さらにはイエダニによるアレルギー反応まで、幅広い脅威に対して劇的な防御効果を示したのだ。肺の中のウイルス量はなんと700分の1に激減したという。

5〜7年後の実用化を目指して

「秋に一度、鼻スプレーをするだけで、インフルエンザもコロナも風邪も、さらには花粉症まで防げる」

 そんな夢のような未来が、早ければ5〜7年後には現実になるかもしれない。もちろん、人間での治験はこれからだが、この「ダブルパンチ」戦略が成功すれば、パンデミックの恐怖も過去のものになるだろう。

 ワクチン嫌いの人にとっても、何度も針を刺さなくて済む未来は歓迎すべきものかもしれない。科学の進歩は、時に我々の想像を遥かに超えた解決策をもたらしてくれるようだ。

参考:Popular Mechanics、ほか

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