感染症専門医が警告する、2026年に警戒すべき「3つのウイルス」

新しい年は、新たな希望とともに、新たなウイルスの脅威も連れてくるかもしれない。地球温暖化と人口増加が進む中、人類はこれまで以上に未知の病原体と接触する機会が増えている。さらに、グローバルな移動の容易さは、ウイルスが宿主である人間と共に瞬く間に世界中へ広がることを可能にしている。
感染症の専門医であり研究者でもあるパトリック・ジャクソン氏は、2026年に特に警戒すべきいくつかのウイルスを挙げている。これらは予想外の場所で、あるいは予想外の規模で流行する可能性を秘めているという。
パンデミックの瀬戸際にある「インフルエンザA型」
常に最大の脅威とされているのが、変異の早いインフルエンザA型だ。2009年のH1N1型(豚インフルエンザ)によるパンデミックは記憶に新しいが、近年特に懸念されているのが高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)である。
1997年に香港で初めてヒトへの感染が確認されたこのウイルスは、2024年には米国の乳牛の間で広がり、牛からヒトへの感染例も報告されている。鳥から哺乳類への感染拡大は、ウイルスがヒトに適応しつつある可能性を示唆しており、2026年には「ヒトからヒトへ」の感染能力を獲得するかどうかが最大の焦点となる。現在のワクチンでは防御効果が不十分なため、新たなワクチンの開発が急務となっている。

世界に定着しつつある「エムポックス(サル痘)」
かつてはサル痘と呼ばれ、アフリカの一部地域に限られていたエムポックス(Mpox)も、今や世界的な脅威となっている。2022年の世界的なアウトブレイク以降、比較的軽症な「クレードII」は世界中に定着した。
しかし、より深刻な症状を引き起こす「クレードI」の感染者数も増加傾向にあり、2025年8月以降、アフリカへの渡航歴がない人からも感染が確認されている。性交渉を含む密接な接触によって広がるこのウイルスが、2026年にどのように変異し、流行していくのかは予断を許さない状況だ。
昆虫が運ぶ「オロプーシェウイルス」の拡大
あまり聞き慣れないかもしれないが、オロプーシェウイルス(オロプーシェ熱)も無視できない存在だ。蚊やヌカカ(糠蚊)によって媒介されるこのウイルスは、熱や頭痛、筋肉痛を引き起こし、時には回復後に再発することもある。
かつてはアマゾン地域特有の病気と考えられていたが、近年その生息域は中南米やカリブ海全域へと拡大している。媒介昆虫であるヌカカは南北アメリカ大陸に広く生息しているため、温暖化に伴ってさらに北上し、流行エリアが広がる恐れがある。特効薬やワクチンがない現状では、渡航者の感染リスクは高まる一方だ。

その他の脅威と備え
これらに加え、チクングニア熱やはしか(麻疹)の再流行、そして国際援助の停滞によるHIV感染の増加など、懸念材料は尽きない。さらに、私たちがまだ知らない「未知のウイルス」が出現する可能性も常にある。
とはいえ、過度に恐れる必要はない。大切なのは「知ること」と「備えること」だ。私たち人間も、動物も、そしてウイルスさえも、同じ地球で生きている。互いの距離感をうまく保ちながら、賢く共存していく方法を探っていくしかないのかもしれない。
参考:The Conversation、ほか
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2024.10.02 20:00心霊感染症専門医が警告する、2026年に警戒すべき「3つのウイルス」のページです。インフルエンザ、ウイルス、感染症などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで