「ご遺骨」の正体はコンクリートの粉…米コロラド州の葬儀業者夫婦が189体を放置、60年超の実刑判決の衝撃

アメリカ・コロラド州で、「環境に優しい葬儀」を看板に掲げた夫婦が189体もの遺体を放置して腐らせていたことが発覚し、夫婦合わせて60年超の実刑判決を受けた。遺族に渡されていた「遺灰」の正体はコンクリートの粉だったという、言葉を失うような事件の全貌とは。
「エコ葬儀」の看板の裏に積み上がった189体
コロラド州ペンローズで「Return to Nature」という葬儀社を営んでいたのは、ジョン・ハルフォードとケアリー・ハルフォード夫婦だ。ウェブサイトには「地域のための手頃でエコフレンドリーなサービス」と記され、防腐処理(エンバーミング)を行わず有害な化学薬品を使わないという「自然葬」スタイルが売りだった。現代的で倫理的な選択肢として、悲しみに暮れる遺族たちから広く信頼を集めていた。
ところが実態は、その真逆だった。夫婦は遺体の処理をほとんど行わず、受け取った遺体をただ積み上げて放置していた。事態が露わになったのは2023年のことだ。近隣住民が「耐えられないほどひどい臭い」を通報したことで、警察が建物に向かうことになる。
ドアの下から滲み出る液体…「趣味の剥製のせい」と言い張った夫
現場に到着した警察官たちは、建物に近づいた瞬間に異臭を感じ取った。しかし窓は完全に目隠しされており、中の様子を確認することができない。ジョンに臭いの原因を問いただすと、「剥製の趣味があるので、そのせいだ」とシラを切った。
だが警察官が見逃せなかったのは、ドアの隙間から外へと滲み出ている正体不明の液体だった。翌日、捜索令状を取得して建物に踏み込む。その時点で夫婦の姿はすでになく、残されていたのは10以上の部屋に高く積み上げられた遺体の山だった。
山は入口を塞ぐほどの高さにまで達していた。早いものは数か月前のもの、古いものでは2019年から放置されていたという。189体のうち、多くはボディバッグに入れられていたが、シーツに包まれただけのものも少なくなかった。成人だけでなく子どもや胎児も含まれており、冷蔵設備がないまま放置されていたため、すべてが高度な腐敗状態にあった。
床一面に体液が広がり、建物内は虫とウジ虫が大量に発生していた。液体を受け止めるためのバケツもあちこちに置かれていた。日本でも「孤独死現場」の凄惨さが報じられることがあるが、それをはるかに上回る規模の光景だったことは想像に難くない。

「遺灰」はコンクリートの粉、130,000ドル超を詐取して逃亡
夫婦は遺族に対して「大切な方を尊厳ある火葬で送り出した」と説明し続けていた。しかし建物の中から見つかったのは、大袋に入ったコンクリートの粉。遺族に「ご遺骨」として渡されていた”遺灰”は、これだったのだ。
事件の発覚後、ハルフォード夫婦は逃亡を図った。ジョンはGPS追跡を逃れるためスマートフォンの電源を切ったが、FBIはケアリーの携帯電話を追跡し、オクラホマ州のジョンの両親の家に潜伏しているところを確保した。
その後、捜査員たちは189体の身元確認作業に取り掛かった。指紋、歯科記録、さらには一部の遺体の手首にまだ残っていた病院の入院ブレスレットまで活用して、一体ずつ照合していった。
監視カメラの映像には、ジョンが深夜に施設を訪れ、台車に乗せられた遺体を床に無造作に投げ落とす様子が記録されていた。その夜、彼はケアリーに「遺体を移動させていたら、体の液体がついてしまった」とテキストメッセージを送っていた。遺体をモノとしか見ていない、この一文が夫婦の本質を如実に示している。
夫婦が遺族から騙し取った火葬費用の総額は13万ドル(約2000万円)超。さらに新型コロナウイルスの影響を受けた中小企業向けに設けられた連邦政府の給付金約90万ドル(約1億4000万円)も不正受給していた。

「私の過ちは一世代に響き渡る」…夫婦に下された判決
夫婦は拘置中に離婚した。
46歳のジョンは遺体損壊罪と電信詐欺罪を認め、遺体損壊で40年、電信詐欺で20年の合計60年の刑を言い渡された。法廷で彼はこう述べた。「すべてを止めて立ち去るチャンスは何度もあった。しかし私はそうしなかった。私の過ちは一世代に響き渡るだろう。私がしたことはすべて間違いだった」
49歳のケアリーも遺体損壊罪と電信詐欺罪を認め、「夫に操られた、怯えた母親だった」として寛大な判決を求めた。しかし電信詐欺だけで18年の実刑が言い渡されており、遺体損壊罪の量刑はまだ下されていない。
遺体が発見された建物はその後、危険建築物として認定され解体された。遺族たちが「大切な人をきちんと送り出せた」と信じていた数年間、建物の中では何が起きていたのか。その事実を突きつけられた衝撃は計り知れないだろう。
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2024.10.02 20:00心霊「ご遺骨」の正体はコンクリートの粉…米コロラド州の葬儀業者夫婦が189体を放置、60年超の実刑判決の衝撃のページです。葬儀、葬儀屋、遺骨などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで