怖すぎて打ち切られた?幻のBBCホラー番組… 撮影中に技術者が膝から崩れ落ち、スタッフが嘔吐したという伝説の真相

あまりに怖すぎて放送を打ち切られ、映像までほぼ抹消された。英国のホラーファンの間で、半世紀以上そう語り継がれてきた番組がある。1960年代末にBBCで放送されたホラーアンソロジー『レイト・ナイト・ホラー(Late Night Horror)』だ。
放送されたのは全6話。現存が確認されているのは、長い時間をかけて発見された2話だけだ。番組が姿を消した経緯そのものが、いまや作品以上の「ホラー伝説」となっている。
流血も隠さず映せと命じたプロデューサー
この番組は、最初から視聴者に衝撃を与えることを狙っていた。番組の解説書によれば、プロデューサーのハリー・ムーアは制作前にスタッフへメモを送り、緊張感と恐怖をとことん煽り、流血があるなら隠さず映すよう指示していたという。
監督陣には、BBC初の女性フロアマネージャーとして知られるパディ・ラッセルも名を連ねた。彼女は「男のように」演出できないのではと疑われた際、男の真似をする気はなく自分のやり方で仕切ると切り返したそうだ。
番組は1968年に始まったが、評価は賛否が分かれ、早々に打ち切られた。英国映画協会(BFI)のキュレーター、ディック・フィディ氏は、番組の方向性を局側が懸念したため第2シーズンが作られなかったと聞いている、と海外メディアに語っている。過激な内容も一因だった可能性があり、実際かなりショッキングな作品だったという。
視聴者の抗議と「膝から崩れる技術者」の真偽
放送当時に反発があったのは確かなようだ。1968年、BBCの番組情報誌「ラジオ・タイムズ」は、内容に戦慄し制作側の姿勢が理解できないと憤る視聴者の投書を掲載している。
同誌は同じ年、撮影中に技術者が膝から崩れ落ち、スタッフが嘔吐しに外へ駆け出したという逸話も伝えた。もっとも、演出好きで知られたムーアが話を盛った可能性も指摘されている。
その後、番組は急速に忘れられた。BBCは1950年代から70年代にかけて、保管コストを理由にアーカイブの大規模な廃棄を行っており、テープの大半もその中で失われた。記録上は「怖すぎて抹消」ではなく、予算の都合で消えたことになる。
「怖すぎて打ち切り」という言い回しが広まったのは2007年、BBCのニュース番組がそう報じてからだ。確定した事実というより、断片的な証言から育った伝説に近い。

eBayと映画館の倉庫から甦った2本のテープ
それでも番組を忘れなかった人物がいる。ヴィンテージTVのコレクター、クリス・ペリー氏だ。彼は1985年、『The Corpse Can’t Play』のテープを入手しかけたが、匿名の売り手が説明もなく姿を消したという。それ自体が怪談めいている。
ペリー氏がついにテープを見つけたのは2016年、場所はeBayだった。翌2017年、番組は約50年ぶりに観客の前で上映された。父の死をネタにいじめられる少年の誕生日パーティーで、照明が消えた瞬間から事態が一変する物語だ。今のホラーほど怖くはないが、60年代の視聴者が震え上がったのはうなずける、というのが現代の観客のおおむねの感想だった。
そして2026年、イングランド・ドーセットにある1930年代築の映画館「リージェント」の倉庫から、リチャード・マシスン原作の『No Such Thing as a Vampire』が見つかり、9月に一般上映された。
残る4話は筋書きだけが判明している。瓶の中で生かされる脳を描いたロアルド・ダール原作『William and Mary』、幽霊屋敷が舞台の『The Triumph of Death』、ロバート・エイクマン原作の『The Bells of Hell』、コナン・ドイル原作の復讐譚『The Kiss of Blood』だ。
本当に怖すぎたのか、別の理由があったのか。確かなのは、消えたことで番組が奇妙な不死性を得たという点だ。2本目が古い映画館の倉庫から出てきた以上、ダールの「瓶の中の脳」も、どこかの棚の奥で再生される日を待っているのかもしれない。
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2024.10.02 20:00心霊怖すぎて打ち切られた?幻のBBCホラー番組… 撮影中に技術者が膝から崩れ落ち、スタッフが嘔吐したという伝説の真相のページです。ホラー映画、伝説、BBCなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
