人類とAIの融合まであと19年!? カーツワイルが予言するシンギュラリティは「すでにあなたの体内で始まっている」

AIが人間の知能を超え、映画『ターミネーター』のスカイネットのように自我に目覚める。「シンギュラリティ(技術的特異点)」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのはそんな光景だろう。
だが、この言葉を世に広めた未来学者レイ・カーツワイル氏の構想は、それよりはるかに過激だ。機械が人間に追いつくのではなく、人間の脳そのものが機械と溶け合い、一つになる。その期限は2045年、つまり今からわずか19年後だという。
半世紀以上前に生まれた「特異点」という予言
「特異点」という発想自体は古い。1958年、数学者スタニスワフ・ウラムは、物理学者ジョン・フォン・ノイマンとの会話を回想し、加速する技術進歩が人類史のある「特異点」に達するという話題が出たと記している。
1993年には、SF作家でもある数学者ヴァーナー・ヴィンジが、人間を超える知性の誕生で文明は予測不能な段階に入ると論じ、概念はAI研究者の間に浸透した。
そして2005年、カーツワイル氏が著書『The Singularity Is Near』で、人類は2045年までに機械の知性と融合すると主張した。当時は荒唐無稽にも聞こえたが、脳とコンピューターをつなぐ技術やAIの急速な進歩を前に、その予測はかつてより現実味を帯びてきたとの見方もある。

「もう一人の自分」はDNAから育てられる
2024年刊行の続編『The Singularity Is Nearer』(邦題『シンギュラリティはより近く』)で、同氏は人間の意識の移行は一度に起こるものではなく、すでに始まっているとの見解を示した。
入り口とされるのが、私たちがネット上に残し続ける膨大な思考と感情の記録だ。同氏によれば、2020年代の終わりにはこのデータから特定の人格を持つリアルな再現体が動き出すという。ディープフェイクにさえ、同氏は明るい側面を見出している。
肉体の側でも、人工内耳やニューラリンクのような脳インプラントがすでに実用化に向かっている。これらが高度化し統合された先に、本人と見分けのつかないロボット版の自分が生まれるとされる。
同氏は映画『ブレードランナー』の原作小説にちなみ、これを「レプリカント」と呼ぶ。本人のDNAから育てた生体に収められる可能性まで想定し、記憶も人格も受け継いだ存在を「You 2」と名付けた。
レプリカントに選挙権はあるのか。亡き配偶者がレプリカントとして戻ったら再婚すべきか。同氏自身もこうした難問を提示している。『攻殻機動隊』が問い続けた「ゴースト」の在処は、もはやSFだけの問いではないのかもしれない。
ナノボットが地球を「灰色のどろどろ」に変える日
総仕上げを担うのがナノボットだ。現在は主に薬剤の運搬に使われるが、同氏はこれが脳の能力を数百万倍に高める鍵になると見る。2040年代以降、人類は魚のように水中で呼吸し、望めば翼さえ持てるようになるという。
一方で、同氏自身が最大の危険として挙げるのが、ナノボットの暴走だ。自己複製が止まらなくなれば、地表の有機物をすべて取り込み、地球全体を「グレイ・グー」と呼ばれる灰色のどろどろに変えてしまうおそれがあるとされる。
悪夢を避けられても問題は残る。2030年代に脳とコンピューターの接続が始まれば、思考の非生物的な部分は指数関数的に膨らむ一方、生物としての知能は変わらない。そのとき「人間による判断」とは、一体どこに残るのか。
19年後の鏡に映るのは誰なのか
もっとも、カーツワイル氏の構想には直感に反する、あるいは到底信じがたい部分も残るとの指摘もある。クラウド上の不死のコピーは本当に「私」なのか。その問いに明確な答えはまだない。
それでも、2005年に夢物語と思われた構想の一部は、脳インプラントやAIという形ですでに現実になりつつある。2045年、鏡の前に立つ自分が本物かどうかを確かめる日が、本当に来るのかもしれない。
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2024.10.02 20:00心霊人類とAIの融合まであと19年!? カーツワイルが予言するシンギュラリティは「すでにあなたの体内で始まっている」のページです。シンギュラリティ、レイ・カーツワイル、技術的特異点、AIなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで