今世紀の「17の壊滅的脅威」核戦争・AIと並んで肥満や所得格差まで!? 専門家が示す2100年までのリスク

今世紀の終わりまで、人類の健康と存続を脅かすものは何か。世界の専門家たちが、その答えをひとつのリストにまとめた。
英医学誌『ランセット』が組織した「21世紀の地球規模の健康脅威に関するランセット委員会」は2026年10月、ベルリンで開かれた世界保健サミットにあわせて報告書を公表した。数百にのぼる候補を検討した末に、2025年から2100年までに最も深刻な害をもたらしうる「壊滅的脅威」として17項目を特定。そのうち2つには「人類絶滅の可能性」があると評価している。
頂点に立つ「絶滅級」の2つ、核戦争とAIの悪用
委員会は脅威をピラミッド状に整理しており、その頂点に置かれたのが「核戦争」と「人工知能(AI)の悪意ある利用」だ。どちらも起こる確率自体は低いと見積もられているが、ひとたび現実になれば人類そのものが消えかねない点が重く見られた。
報告書によれば、核戦争を防ぐ取り組みによって2100年までに推計1億3,300万人の死を回避できるという。AIの悪用リスクを抑えた場合に守られる健康的な人生の年数は、約104億年分にのぼると試算された。
この「年数」の物差しが、障害調整生命年(DALY)だ。病気や障害、早すぎる死によって失われる「健康に過ごせたはずの1年」を1単位として数える指標で、委員会は2100年までに少なくとも10億DALYに相当する害を及ぼしうることを、「壊滅的」と認定する条件の一つにしている。
冷戦期の核の恐怖と、新たなAIへの不安が同じ頂点に並ぶ構図は、映画『ターミネーター』の世界観を数字でなぞったかのようだ。
肥満、教育、所得格差まで並ぶ残りの15項目とは
残る15項目は、大気汚染、薬剤耐性、子どもの栄養不良、気候変動、通常戦争、保健分野の開発援助の減少、過度な飲酒、高血圧、所得格差、教育水準の低さ、自然発生するパンデミック、肥満、心の健康の悪化、喫煙、不健康な高齢化だ。
地味に見えて、試算の規模は大きい。肥満対策で避けられる健康損失は2100年までに231億DALY、教育水準の改善に関わる分は161億DALYと推計された。所得格差による損失は138億DALYで、新型コロナのパンデミック25回分に相当するという。
気候変動については、温暖化を4.4度ではなく1.8度前後に抑えれば、猛暑や大気汚染などで失われる健康な人生を約18億9,000万年分防げると試算されている。
共同議長を務めたワシントン大学保健指標評価研究所(IHME)所長のクリストファー・マレー教授は、17の脅威がすべて互いにつながっており、個別ではなく一体で取り組む必要があると強調した。気候の不安定化が感染症を広げ、感染症が薬剤耐性を深刻にする、といった連鎖があるためだ。
「何もしなければ」の未来は回避できるのか
もっとも、委員会は脅威ごとに「最良」と「最悪」の2つの未来をモデル化し、その差を「政策や投資によって守れる健康」として示した。
処方箋は3本柱だ。脅威に備えた保健体制を、資源の乏しい地域まで含めて築くこと。ワクチンや新薬、気候技術といった革新への投資を加速させること。そして新たなリスクの監視を強化することである。
もう一人の共同議長、ナタリア・カネム博士(国連人口基金の前事務局長)は、危機の後追いでは代償が大きすぎるとし、未来はまだ決まっていないとの考えを示した。
17項目は固定の順位表ではなく、今後入れ替わりうる。気候変動も、排出削減が進まなければ次の世紀には絶滅級になりかねないとされる。
75年後の人類の姿を知る者はいない。ただ、絶滅への道筋を数字で測れるようになった人類には、その道を自ら外れる力も残されているはずだ。
参考:IFLScience、Institute for Health Metrics and Evaluation、ほか
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2024.10.02 20:00心霊今世紀の「17の壊滅的脅威」核戦争・AIと並んで肥満や所得格差まで!? 専門家が示す2100年までのリスクのページです。リスク、核戦争、壊滅、AIなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで