「法的に許される限界」まで書いたUFO暴露本は国防総省の審査も通過! 元UAPタスクフォース責任者が受けた「命に関わる警告」と、残された検証の壁

国防総省の審査をくぐり抜けた一冊のUFO暴露本が、今、欧米のUFO研究界を揺さぶっている。著者は、米国防総省の未確認航空現象(UAP)タスクフォースを率いたジェイ・ストラットン氏。回想録『Out of the Shadows』で同氏は、法律と守秘義務に触れない範囲で、明かせる限りの秘密を書いたとしている。
ただし、この本が出版を許されたことと、中身が「本当」であることは別の話だ。審査の意味から内部の警告まで、この回想録をめぐる論点を整理してみたい。
長らく伏せられていた「タスクフォースの顔」
UAPタスクフォースが活動したのは、2020年8月から2021年11月まで。きっかけは2017年12月、ニューヨーク・タイムズなどが国防総省の秘密UFO調査計画「AATIP」の存在と、海軍が撮影したUFO映像を報じたことだった。
国防総省はその後、映像が本物であることを認め、2020年7月末には新たなUFO調査部門の設置を発表した。だが当初、そのメンバーの名前は一切公表されなかった。
後になって、責任者が元軍情報将校のストラットン氏だったことが判明する。その「顔のなかった責任者」が、ついに自らの言葉で表舞台に出てきたわけだ。
審査通過は「お墨付き」なのか
本書は、現役・元軍人や情報機関職員の出版物を事前にチェックする国防総省の部署「DOPSR(出版前・安全保障審査室)」の承認を受けている。機密情報が外部に漏れないかを確認する手続きだ。
もっとも、この審査は記述内容の真偽を保証するものではない。本書自体も、DOPSRの承認が国防総省による内容の裏付けを意味しない旨を冒頭で断っている。UFO懐疑派として知られるミック・ウェスト氏も、単に誤っているだけの話はそもそも機密指定する必要がないと指摘し、審査通過を権威づけに使う風潮に釘を刺している。
では、その中身はどうか。ストラットン氏は、機密ファイルの閲覧と軍関係者の報告をもとに、墜落したUFOと非人間の乗員を回収する秘密の特殊作戦が行われてきたと主張する。米軍の請負企業が保有する地球外の機体は少なくとも十数機にのぼるという。
さらに同氏によれば、回収された存在の中には生きた状態で見つかり、世話を受けた者もいた。ごく初歩的ながら意思疎通に成功したケースもあったが、最終的には彼らも命を落としたとされる。議会で同様の証言をした元情報将校デイビッド・グラッシュ氏と、足並みをそろえる形だ。
「一部の人間」からの警告と、拭えない検証の壁
暴露には代償も伴うようだ。同氏は、軍や情報機関の内部関係者から、自身の発言や情報開示への取り組みを快く思わない者がいると繰り返し警告されてきたという。中には命に関わりかねないものもあったが、同氏は問題の重要性のほうが勝ると意に介していない。
同氏がポッドキャストやドキュメンタリー映画『Age of Disclosure』に登場し続ける背景には、9.11での苦い記憶がある。情報共有の不足が招いた悲劇と同じように、隠蔽こそが奇襲を招きかねないという危機感だ。
一方、ドイツのUFO・超常現象情報サイトGreWiの編集部による評価は冷静だ。経歴と立場から見て、同氏が最も信頼性の高い内部告発者の一人であり、機密資料に触れていたことは疑いない。しかし本書には新たな写真や映像の証拠はなく、資料が公開されない限り独立した検証はできないとする。同氏自身も情報源を信じるしかなかった節があり、読者もまた同じ立場に置かれる、という指摘だ。
かつてルイス・エリゾンド氏の回想録が出た際と同様、決定的な証拠を期待した読者は肩透かしを食うかもしれない。それでも、UFO調査の最前線に立った人物が、警告を受けながらも語ることをやめないという事実は重い。墜落機の搭乗者とわずかでも言葉を交わした誰かがいたのだとすれば、人類はすでに「最初の対話」を経験していたことになる。
参考:GreWi、ほか
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