東京の幽霊出る街、怖い街ベスト5 オカルト研究家が選ぶ最恐の心霊スポット
■1位 新宿・戸山=恐怖のすべてが詰まっている
・戸山公園一帯
1位にして初めて、昔からよく肝試しが行われる心霊スポットらしい心霊スポットの紹介となります。戸山公園はよく「初心者向けの心霊スポット」とも言われる場所。新宿というアクセスの良さ、早稲田大学の脇にある広々とした公園なので夜中でも(ある程度は)迷惑にならない、という立地条件もあるでしょう。夜ともなれば「泣き声が聞こえる」「白い服の女の幽霊が出る」「トイレで自殺した人の霊が出る」という、大きな公園なら必ずある怪談が語られ、都心の若者たちが今も肝試しに訪れます。
そんな一見ハードルが低いだけと思われがちな戸山公園。しかし僕はこここそが都内最強のオカルトスポットだと思います。なにしろこの一帯は、奇妙な謎が多すぎます。
まずは一九八九年の人骨発掘事件。国立感染症研究所を建設中の作業員が、地下から無数の人骨を発見。現地が旧陸軍軍医学校および七三一部隊の拠点だったため、「この骨は七三一部隊による人体実験の被害者ではないか」との疑惑が浮上したというものです。さらに副都心線の開通により、こんな都市伝説もささやかれます。
「西早稲田駅には誰も入れない地下一階がある。いつも暗闇に包まれたそのフロアは、戸山公園地下にある政府の秘密地下施設へと繋がっている」
確かに西早稲田駅は、地上口からB2階の改札まで直通するしかありません。地下一階フロアの入口はいつもシャッターが閉ざされ、エレベーターも真っ暗な地下1階を通過するだけ。これが上記の人骨発掘事件と結びつき、「旧日本陸軍の土地だったのだから、地下に大きな施設があり、いまだ秘密基地として使われているのでは?」との憶測を呼んでいるのです。
とはいえ、旧陸軍時代に使ったであろう地下トンネルの跡が、公園のコンクリート壁にくっきり残されているのも事実です。決して一笑にふせないような歴史の重みが、この土地にはあるのです。
さらに江戸時代にまで遡れば、ここは尾張徳川家の下屋敷、日本最大の庭園「戸山荘」があった場所。実はその庭園内にひっそりと、古の邪神を封印した祠があった……というのは江戸の実話怪談集『耳嚢』にもハッキリ記されています。年季の入り具合からいっても、東京を代表する霊的空間であるのは間違いないでしょう。
幽霊、都市伝説、陰謀など全てのオカルト要素が詰まった戸山公園。東京トップの心霊スポットとして推すならここしかありません。僕などは戸山一帯の謎を毎日のように探るため、最近この近所に引っ越してしまったほどですからね……。
■吉田悠軌(よしだ ゆうき)
怪談サークル「とうもろこしの会」会長。怪談やオカルトを「隠された文化」として収集・研究している。著書に『放課後怪談部』。編集長を務める同人誌『怪処』ではオカルト的な場所を広く紹介。
・怪処HP
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