>  > 二次元物質「グラフェン」が永久機関になる可能性

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■スマホのバッテリーがなくなる日は近い!?

 米・アーカンソー大学の研究チームは、走査型トンネル顕微鏡(Scanning Tunneling Microscope)でグラフェンの動きを観察した。

 そもそも自然界では存在しないはずのグラフェンが成り立っている理由として、炭素原子が不規則な振動を伴うブラウン運動(Brownian motion)を常に行っていることがあげられる。

 研究チームによる極めて微細なスケールでの観察の結果、ブラウン運動だけでなくグラフェンのシートそのものも炭素原子と一緒に大きく動いていることがわかったのだ。

「この動きはこの2次元素材を利用可能なエネルギー源として使用するための鍵になるものです」と研究チームのポール・ティーバド教授は話す。

 そして研究チームはVibration Energy Harvester (VEH)という専用の機器で、グラフェンの動きから微弱な電流を発生させるシステムを考案した。この機器によって10ミクロンの幅のグラフェンシートを用いて、損失なく連続的に約10マイクロワットの電力を獲得できるということだ。グラフェンが完全にクリーンで無尽蔵のエネルギー源となる可能性が高まったことになる。

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Vibration Energy Harvesterの動作モデル 画像は「University of Arkansas」より

「例えば腕時計のバッテリーを交換する必要はなくなります。交換する必要のないバッテリーが手に入った世界を想像してみてください」(ポール・ティーバド教授)

 この技術を紹介した動画によれば、ティーバト教授は心臓ペースメーカーの動力源などにも“グラフェン発電”を活用できると考えているようだ。

 部屋の気温だけで電力を供給できるこの技術は、あらゆるモノが情報を送信、受信、貯蔵するデバイスになる可能性を有しているという。つまり身の回りのあらゆるモノが外部電源やバッテリーがいらない情報端末になる日がそう遠くない未来に訪れるということになる。

 もちろんすでに着手されているより高性能の太陽電池の製造や薄型テレビのスクリーン、そして極めて剛性の高い車のボディ素材などのグラフェン開発が進んでいるが、これに今回、発電装置としての可能性も加わることになった。“夢の新素材”であるグラフェンはまだまだ計り知れない可能性を秘めているようだ。
(文=仲田しんじ)


A Potential Source of Clean, Limitless Energy 動画は「University of Arkansas」より


参考:「IFL Science」、「Disclose.tv」、ほか

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