ギザの大ピラミッドは「たった27年」でどうやって建てられた!? コンピューター科学者が導き出した“超効率的”な建造システム仮説

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 古代エジプト第4王朝のファラオ、クフ王の墓として約4600年前に建造された「ギザの大ピラミッド」。

 底辺230メートル、高さ147メートル、使われた石の数はなんと230万個。鉄の道具も車輪も滑車もない時代に、一体どうやってこのバケモノみたいな建造物を完成させたのか?

「宇宙人がレーザーで切り出してUFOで運んだ」というオカルト界隈の定番ジョークはさておき、考古学者たちを何世紀も悩ませてきたこの最大のミステリーに、一人のコンピューター科学者がAIアルゴリズムを駆使して挑み、極めて現実的かつエレガントな解答を導き出した。ピラミッド建造の「真のカラクリ」とは?

「3分に1個」の石を積むための過酷なタイムアタック

 最大の謎は「時間」だ。クフ王の治世は約27年間。その間に230万個の石(1個あたり平均2.5トン)を積み上げるには、昼夜を問わず計算しても「約3分に1個」のペースで石を所定の位置にセットし続けなければならない。

 これまで有力だった「巨大な一本の直線スロープを使った」という説では、傾斜が急になりすぎる上、一度に一つの作業チームしか石を運べず、到底このペースには間に合わない。

 また、ピラミッドの周囲をぐるぐると回る「螺旋状のスロープ」説も有力だったが、これだと完成後に巨大なスロープを取り壊した痕跡や大量の瓦礫が残るはずなのに、それが一切見つかっていないという矛盾があった。

 そこで、コンピューター科学者のビセンテ・ルイス・ロセル・ロイグ氏は、全く新しいアプローチを思いついた。

「もしスロープがピラミッドの『内部(あるいは外壁の一部)』に組み込まれており、完成と同時に上から順番に化粧石で塞がれていったとしたら? 取り壊す必要も、痕跡が残ることもないじゃないか」

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アルゴリズムが弾き出した「完璧な螺旋スロープ」

 ロセル・ロイグ氏はこの仮説を検証するため、当時の技術的制約(銅のノミ、水を撒いたソリ、ロープ、テコなど)をパラメーターとして入力し、最も効率的なスロープの角度や幅、配置を計算するアルゴリズムを作成した。

『NPJ Heritage Science』誌に発表された研究結果によれば、ピラミッドの四面にそれぞれ異なる作業チームを配置し、緩やかな傾斜の螺旋スロープを同時に使って石を引き上げるシステムが最も効率的だということが判明した。

 角の部分にはソリの方向転換をスムーズに行うための広いスペース(踊り場)が設けられ、複数のチームが渋滞を起こすことなく、流れるように作業を進めることができる。

 さらに、スロープの表面に濡らした砂を敷くことで摩擦を減らせば、当時の労働力でも十分に「3分に1個」という驚異的なペースを維持できることが証明されたのだ。

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古代の現場監督「メレル」の日記が裏付ける事実

 この超効率的なシステムを裏付ける歴史的資料も存在する。2013年に発見された「メレルの日記(ワディ・アル・ジャルフのパピルス)」だ。

 これは、ピラミッド建設現場で石材輸送の船団を指揮していた「メレル」という現場監督の業務日誌である。そこには、ナイル川の氾濫期を利用して、いかに効率よく石灰岩を運搬していたかが克明に記されている。

 さらに、作業員たちは「ライオン」などの名前がつけられた複数のチームに編成され、分業体制で働いていたことも分かっている。ロセル・ロイグ氏がアルゴリズムで導き出した「四面同時並行作業」のシステムと見事に合致するのだ。

 もちろん、今回の研究はコンピューターによるシミュレーションであり、実際にこの方法で建てられたと断定されたわけではない。ロセル・ロイグ氏自身も「今後の地中レーダー探査などで、角のプラットフォームの摩耗跡などを確認する必要がある」と語っている。

 しかし、宇宙人のオーバーテクノロジーや超古代文明の魔法を借りずとも、当時の人々がロープとソリと計算だけで、人類最大のモニュメントをスケジュール通りに完成させ得たという「可能性」が示されたことは驚嘆に値する。

 ピラミッドの石には、まだまだ我々の想像を超える古代人の知恵と執念が隠されているのかもしれない。

参考:Popular Mechanics、ほか

TOCANA編集部

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