「アンネの日記」破損被害はなぜ起きたのか? 犯行の意図は?
【陰謀社会学から捉える、アンネの日記事件、犯行の意図】
■犯人は、いたずらと過失説
まず、第一に考えられるのは、「陰謀」とは全く関係がない、「単純ないたずら」である。しかし、これは非常に考えにくい。1カ所2カ所ならばありえるが、この事件は規模が違う。いたずらではなかった場合、ホロコーストやユダヤ人に関する研究熱心な人の「過失」という場合もある。しかし、これだけの行政区で合計300冊以上の本が被害にあっているということは、異常性が高く、また過失や単なるいたずらの範囲を超えているといわざるを得ない。
■反ユダヤ教の犯行?
次に考えられるのが、本物の反ユダヤ教的考え方を持っている人々、ということになる。差別などあってはいけないことではあるが、現在もユダヤ教徒に対立するような宗教的な考え方を持つ人が日本にもいることは確かである。さらに、日本と国交のある国の国民の中にも、そのような差別的な考え方を持っている人は少なくない。その人々が行ったという可能性はありえるだろう。
しかし、これも非常に考えにくい。これは、「外国人」特に、「中東系イスラム教徒」または「ユダヤ教を忌み嫌うキリスト教徒」だとしても、日本のような多神教において、一神教的な価値観で犯罪を犯すということはなかなか考えにくい。日本で外国人が起こす事件には、生活苦や経済的事犯での犯罪が非常に多いが、宗教的な犯罪というのは統計的にも少ないともいわれている。
・外国人の犯行なら、犯人はすぐに見つかるはず
また、その人々が犯人であれば、肌の色などから、日本語の本ばかりの図書館に入ること、特にそのような関係書のある書架に出入りしていれば、当然目立つはずである。ということは、捜査は簡単であるし、すぐに犯人は特定され300冊にまで被害は及ばないはずである。 そのように考えると、宗教的な犯罪というのも考えにくい。
■日本の歴史修正主義者か?
それではまず、岩上氏のように「日本の歴史修正主義者」特に、日本の保守派または国粋主義者のような考え方の人物又は組織と考えてみよう。しかし、仮にそような集団がいるとして、岩上氏の言う「南京虐殺」「従軍慰安婦」と結び付けて行っているのであれば、それは、逆に日本の「ホロコースト」を認めているということになる。そのため、「日本の歴史修正主義者」という組織がいたとしても、このような事件を起こす必要性はないといし、根拠も薄いはずだ。
■憶測を呼ぶための陰謀だったのか?
次に考えられるのが、陰謀社会学的に見た、今回の事件の肝である。
今回の事件が起きて、さまざまな評論家や政治家がツイッターや会見で自分の見解を述べた。その中で「一定の勢力に罪を着せる」内容も少なくはなかった。これこそが、犯人あるいは、その裏に潜む組織がやりたかったことではないのだろうか?
犯人が、評論家たちがどのような反応をするのか、あらかじめ見越したうえで、行っているとしたらどうだろうか?
その考え方から言えば、「日本とホロコーストを結び付ける」「安倍内閣の右傾化に対して、ユダヤ人が犠牲になる」そのうえで「安倍首相になったからユダヤ人と対立をした」というような考え方に基づいてこの行動を、組織的に行っていると仮定した場合、それはかなり悪質な陰謀ということになるのである。
そう、事件後の著名人の発言こそが、陰謀社会学的には、最も陰謀を企てるも者の「好餌」になってしまうのである。
改めて言うが、ここでいう犯人像は、あくまでも「陰謀社会学的」に犯人像を考えた場合という前提である。
(聖橋乱丸)
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