映画『ゴッドファーザー』が原因で実際に起きた暗殺事件!

■目立ちすぎたツケが…

映画『ゴッドファーザー』が原因で実際に起きた暗殺事件!の画像2カルロ・ガンビーノ(Wikipedia)より。

 1971年6月28日、コロンボは同公民権同盟のフェスティバルを開催する。イタリア系マフィアのボスの一人、カルロ・ガンビーノ(後に、カンビーノ一家を全米最強のマフィアにしたとされる人物)がフェスティバルの中止を求めたが、目立ちたがりのコロンボはまったく耳をかさなかった。

 このやり取りのさなか、新聞記者に扮した25歳のストリートハスラー、ジェローム・ジョンソンがコロンボに3発の銃弾を撃ち込む。その直後、ジョンソンは別の男に銃殺された。現場には1,000人以上の人がいたにも関わらず、ジョンソンを殺害した男が捕まることはなかった。コロンボは一命を取り留めたものの四肢麻痺の状態となり、その6年後の1977年に死亡する。

 これらの話になんとなく聞き覚えのある方もいるだろう。なぜなら、『ゴッドファーザー』PartⅢの登場人物、ジョーイ・ザザのモデルとなったのは、他ならぬこのコロンボだったからである。しかし、仮にコロンボが映画『ゴッドファーザー』への介入や公民権同盟などから手を引いていたとしても、もともと危険人物であった彼は、いずれは命を狙われていただろう。だが、この『ゴッドファーザー』の一件で無用な注目を集めてしまったことが、確実に彼への暗殺を早めたのである。

 本作にはコロンボ以外にも、実話を基にしたシーンが多く描かれている。例えば、PartⅠでマーロン・ブランド演じるヴィトーが露店で果物を買うときに襲われるシーンや、アル・パチーノ扮するマイケルがトイレで最初の殺しに手を染めるシーン、またPartⅡの議会公聴会の場面など。ほかにも実在の人物をモデルにした登場人物も多い。『ゴッドファーザー』の重厚でリアルな世界は、フィクションとノンフィクションが複雑に交錯し生まれていたことがうかがえる。ちなみに、PartⅠで“マフィア”という言葉を一切使わなかった『ゴッドファーザー』。この映画以降、マフィア映画というジャンルが確立し定着したというのだから、なんとも皮肉な話である。

参考:「Listverse
KnowledgeNuts」ほか
(雅代ノワール)

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