みんなオカルトが大好きだった ― 三島由紀夫のUFO小説、石原慎太郎のネッシー探検…「空飛ぶ円盤研究会」の仲間たち
2014.04.26 20:00
■小説に込めた、思いとは?
三島由紀夫がこれほどオカルトに熱中した理由は何だったのだろう? 新たな表現方法を求めて? それとも憂国の思いから? 理由は断定できないが、筆者にはある種の救いを求めていたようにも感じられるのだ。物語のラスト、主人公一家がついに円盤との邂逅を果たすという感動的なフィナーレがそれを物語っているようにも思える。
「来ているわ! お父様、来ているわ!」
と暁子が突然叫んだ。
円丘の叢林に身を隠し、やや斜めに着陸している銀灰色の円盤が、息づくように、緑色に、またあざやかな橙色に、かわるがわるその下辺の光りの色を変えているのが眺められた。
(『美しい星』より引用)
■天川智也(あまかわ・ともや)
1980年生まれ。早稲田大学仏文科卒業。古今東西の奇書を求めて日々奔走している。おもな作品にNHKドラマ『ルームシェアの女』(フランス語作詞)等がある。
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