ペニス、呪術で盗まれる ― アフリカにはびこる信仰の闇
ブルキナファソ(Burkina Faso)は、マリ、ニジェール、ベナン、トーゴ、ガーナ、コートジボワールと国境を接する西アフリカに位置する国である。そのブルキナファソのクドゥグ市で、男性Aの性器を盗ったと訴えられた男性Bが、周辺にいた人々によってリンチされるという事件発生したと、「france24」が5月に報じている。
■ペニス泥棒(!?)をリンチに!
報告によると、まずレストランで2人の男の喧嘩が始まり、その後、群衆が加わって騒ぎはエスカレートし、警察沙汰に。喧嘩の理由はBが魔法をかけてAのペニスを盗んだというものだった。
しかし、警察が到着する前に、怒った群衆はB(彼はその町の出身者ではなかった)を囲み、賑やかな通りでリンチしたという。ブルキナファソの地元新聞「オブザバトリー・パァガ」のシリル・ゾマ記者の記事によると、「警察はできることを全てやったが、怒った群衆を制圧するには人数が少なすぎた」ということだ。
さらにこの記事によると、この地域で「他人の性器を盗んだ」と訴えられる事件が発生したのは初めてではないそうだ。つまり、アフリカでは今も「呪文で人の性器を盗んだり、病気にすることができる」と信じている人が多いということだ。しかし、この記事を読む限り、実際にペニスを盗んだわけではなく「生殖機能を失わせる」という呪術らしい。
クドゥグ市の住民で、この問題を調査しているヤミアゴ・バジオ氏は、「多くの場合、詐欺師が精力剤などの商品を売る方法として『あなたの性器は盗まれた』と言い出すんです。詐欺師は人々の騙されやすさを利用し、彼らを騙すのです」と、語っている。
また、詐欺のパターンについては「まず、魔法の力を持つという人物が被害者に接触し、性器は自分が盗ったことを告げます。そして次にもう1人の共犯者が被害者に近づき、『ある商品を買わなければ生殖能力を失う』と脅します。そして被害者は自身の性器を取り戻す為に、バイアグラのような薬に多くの金を払う羽目になるのです」と話している。
バジオ氏は続けて「クドゥグ市で、このケースを最初に耳にしてから数年がたちます。10年ほど前にも何件かこういうケースがありました。しかし、今回のケースは警察の対応が悪かったと思います。介入が遅れたことで、多くの人々がヒステリー状態になったのです」と言う。
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