暴かれし 「ダークマター」の正体 ― 2億4,000万光年離れた宇宙の果てから届く謎のメッセージ!
■ダークマターとは何か?
そもそもダークマターとはなんでしょうか。現在、宇宙を形成している存在のうち、私たちが観測できるものは4%ほどと言われています。その他を「ダークマター」とよばれる未知の物質と、「ダークエネルギー」という未知のエネルギーが占めています。
研究者は、宇宙の観測の際に光やX線などの電磁波を利用しますが、これらは電磁波によって観測することができないため、ダーク(暗黒)と呼ばれているわけです。
ただ、電磁波によって観測はできないものでも、それに他のものをぶつけることなどによって存在を確認した例があります、それはニュートリノです。ニュートリノは物質を作っている一番小さな粒子、素粒子の一種で、ダークマターの1つです。質量の違いによって「電子ニュートリノ」「ミューニュートリノ」「タウニュートリノ」と、3種類に区別されています。
そして、その3種類とは異なった性質を持つ可能性があるとされているのが、4番目のニュートリノ「ステライルニュートリノ」です。
もちろん、他にもこの謎のX線の説明となる現象はあるかもしれません。より一層、データの調査が必要だとNASAも発表しています。また、全てのダークマターの正体がステライルニュートリノであるというわけでもありません。しかし、ひとつひとつ謎を解くことができれば、いずれ全ての謎が明らかになることでしょう。
それにしても2億4,000万光年の彼方というと、もう遠いという言葉では形容できないほどですね。今回のX線が発生したのは2億4,000万年前ということになりますが、その頃地球はどのような様子だったかというと、三畳紀と呼ばれる恐竜が誕生した時代です。恐竜が地球の覇権を握ろうとしている時期に起きた現象が、現在の私たちへ宇宙の謎を解くヒントをくれるなんて、宇宙のロマンを感じさせてくれますね。
(文=杉田彬)
参考:「Yahoo! News」、「NASA」ほか
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