暴かれし 「ダークマター」の正体 ― 2億4,000万光年離れた宇宙の果てから届く謎のメッセージ!
七夕の夜、日本はあいにくのお天気でしたが、雲の上では織姫と彦星が夜空に輝いていたことでしょう。その織姫にあたる星、「こと座」のヴェガは地球から25光年の距離にあり、また、彦星にあたる、「わし座」のアルタイルは地球より16光年離れたところにあります。光でさえ届くのに何十年もかかるような遠くの星のことを思う七夕は、宇宙の広さを改めて感じさせてくれますね。
そんな七夕の2つの星を近所と思えてしまうような、遥か彼方の宇宙に関する話題が、今研究者の注目を集めています。NASAは先月、2億4,000万光年離れた宇宙から奇妙な電磁波を観測したと発表しました。きっとトカナ読者の皆様は地球外生命体による仕業ではないかとワクワクしてしまうことだと思いますが、研究者たちの興味は別のところにありました。なんでも、この電磁波が、現在も謎に包まれている宇宙の「ダークマター(暗黒物質)」の正体を探るカギとなる可能性があるようなんです。
■2億4,000万光年先からのX線
NASAの発表によると、NASAのチャンドラX線観測衛星や欧州宇宙機関(ESA)のX線観測衛星「XMM-Newton」が、宇宙の彼方より奇妙な電磁波をいくつか観測したそうです。地球から2億4,000万光年離れたペルセルス銀河団から観測されたデータの中に、わずかにX線(波長が0.001~10ナノメートル程度の電磁波)の痕跡が検出されるなど、70以上の銀河団から観測されたということです。
このX線の原因はまだわかっていません。しかし、1つの可能性として、ダークマターの正体の1つとも噂される「ステライルニュートリノ」という新種のニュートリノの崩壊により発生したものではないかと言われています。なにやら億千万の胸騒ぎを感じさせる、エキゾチックな単語が続々と出てきました。
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