【動画】世界最古の音楽を聴く ― 3,400年前に作られた不思議な賛美歌

 古代メソポタミア時代、人々が耳にしていた音楽があるとしたら、それは一体どのようなメロディーだろうか――?

 かつて考古音楽の研究者たちは「七分音階は2,000年前の古代ギリシャで作られ、古代ギリシャ人により音楽が広まった」と推測していた。

 しかし、1950年代初頭、シリアにある古代都市ウガリットで数枚の粘土板が出土され、この粘土板にはフルリ語(紀元前2,300年ごろ~紀元前1,000年ごろまでメソポタミアに暮らしたフルリ人 の言語)で使用するくさび型文字が使用されていたことから、約3,400年前の古代メソポタミア時代の粘土板であることがわかったという。

動画は、YouTubeより。曲のリズムは想像で作られたものだ

 これについて、1972年にはカルフォルニア大学古代アッシリア研究の第一人者であるAnne Draffkorn Kilmer教授が「この粘土板は現存するなかで最も古い音楽で、3,400年前の礼拝のための讃美歌である」と発表した。

 この発見によって「古代ギリシャ人の音楽が最古である」とする見解は否定されたが「七分音符の全音階だけではなく、旋律を示すハーモニーがすでに3,400年前には存在していた」という西洋音楽の起源に関する重要な発見を得ることができたそうだ。

 どのようなメロディーであったのか、またどのように演奏されていたのか謎が多い楽曲ではあるが、演奏される楽器はおそらく竪琴で、式典や祭典など特別な時に演奏されたものであろうと推測されている。

 曲のリズムは想像で制作されているが、意外と明るいメロディーで、筆者の私見だが、華やいだ場で演奏されたような曲という印象だ。また、この時代ですでにメロディーを記録するために旋律を使用していたというから古代メソポタミア人の技術には驚きの連続である。
(文=福島沙織)

参考:「openculture

関連キーワード:, , ,

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

人気連載

現実と夢が交差するレストラン…叔父が最期に託したメッセージと不思議な夢

現実と夢が交差するレストラン…叔父が最期に託したメッセージと不思議な夢

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.11.14 23:00心霊
彼女は“それ”を叱ってしまった… 黒髪が招く悲劇『呪われた卒業式の予行演習』

彼女は“それ”を叱ってしまった… 黒髪が招く悲劇『呪われた卒業式の予行演習』

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.30 23:00心霊
深夜の国道に立つ異様な『白い花嫁』タクシー運転手が語る“最恐”怪談

深夜の国道に立つ異様な『白い花嫁』タクシー運転手が語る“最恐”怪談

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.16 20:00心霊
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.02 20:00心霊

【動画】世界最古の音楽を聴く ― 3,400年前に作られた不思議な賛美歌のページです。などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで

人気記事ランキング05:35更新