大阪・あべのハルカスは異次元空間に繋がる新スポット? 阿倍野区の怪史とは?
『もう、そういうのいいから、漫画喫茶でも行って大人しくしてなよ』そう思われる方もいらっしゃるでしょうが、とりあえず、まあ聞いてください。
実は去年の部分開業時から、あべのハルカスでは「幽霊が出る」という噂が囁かれていました。コアマガジン系サイト「ブッチNEWS」(2013年6月)では、実本修兵氏により、
「初老のくたびれたスーツ姿のおじさんがスーッと消えていった」
「顔が潰れたような真っ赤な顔面の女が階段から降りてきた」
といった怪談を収集した記事が掲載されています。フロア店員から直接に取材したものですので、実話怪談としての信憑性は高いでしょう。さらに実本氏はハルカス周辺が、南北朝の合戦や大阪冬の陣の激戦地であった点に着目。今も多くの骨が埋まっている安倍野区を「心霊現象が多発する土地」と推測しています。
確かに、あべのハルカス周辺は怪談の多い土地です。かつての合戦地というだけでなく、多くの遺体が埋葬されてきたという土地柄もあるでしょう。大阪の処刑場といえば千日前が有名ですが、その墓地は明治以降に阿倍野へと移され、今も広大な敷地が広がる阿倍野墓地として残されています。その北西にある飛田新地、釜ヶ崎のあたりも、旧・鳶田刑場と墓地があった場所です。
もっと古い時代では、ハルカスから天王寺駅を挟んだすぐ北にある「悲田院町」。これは聖徳太子が建てた日本初の救護施設「悲田院」が地名として残っているものです。貧しい病人や孤児などを収容した場所であり、この頃から既に都市部における格差・貧困が社会問題となっていたことが窺われます。確かに現在でも、あべのハルカスなど高層ビル群のすぐ横に、西成などの低層住宅街が並ぶというのは、南米の大都市を思わせるコントラストな風景であります。
実際、あべのハルカスから南に向かった土地は、西日本屈指の高級住宅街。個人地主が多いせいでしょうか。碁番目状の大阪市街の中で、ここだけ区画が複雑にうねくっているのが、地図を見るとよく分かります。まるで迷宮のような住宅街なので、道に迷う人も多くいるようです。それどころか、この周辺には本当に結界がはり巡らされていているのだ、という意見すらあります。そのせいで方向が分かりづらくなったり、突然ワープしたりといった怪体験が起きている、と……。
その根拠は、あべの筋と旧熊野街道の間にある「安倍晴明神社」。『え、晴明神社って京都じゃないの?』と、思われる方もいるでしょうが、あの日本一の陰陽師・安倍晴明の出身地こそ、阿倍野区だとされているのです。最強の呪力を誇った晴明ですから、その生地にはいまだパワーが残っていてもおかしくありません。
ここで注目したいのは「あべのハルカス」という名称。ハルカスとは古語「晴るかす」からきており、「晴れ晴れと(気持ちが)明るくなる」といった意味で使われております。……おや? あべの…晴…明……? もうお気づきですね。「あべのハルカス」とは、そのまま「安倍晴明」を表している! と言っても過言ではないかもしれないのです!
京都を巨大な結界都市とした大陰陽師・安倍晴明。その名を言霊のごとく利用するとは、逆に言えば、そうせざるを得ない事情があるということ。この一帯は、戦乱や処刑地という歴史があり、いまだ貧困問題がうずまき、さらに晴明の故郷かつ神社が近くにある土地です。そこに日本最大の巨大ビルを建ててしまったのだから、なんらかの「場」が歪んでしまう危険もあります。幽霊を見るだけならまだしも、ふいに異界に迷いこんでしまったりして……?
あべのハルカスを訪れるなら、ちょっと注意した方がいいのではという主張、お分かりいただけたでしょうか。今年も猛暑が続きますし、クーラーの効いた家で休んでいるのが一番安全かもしれませんね。
僕はまあ、大阪を訪れる機会があれば、オカルト研究家の使命として、あべのハルカスを探検してみるつもりではありますが。展望台カフェとか気持ちよさそうですよねー。
・怪処HP
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊深夜のパチンコ屋にうつむきながら入っていく謎の男達と不思議な警察官【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.09.18 20:00心霊大阪・あべのハルカスは異次元空間に繋がる新スポット? 阿倍野区の怪史とは?のページです。呪い、吉田悠軌、あべのハルカス、ワープ、異次元などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで