手術で心の中が見えるようになった女性 ― 人間は機能を失うと「超能力」が開花する!
病気や事故によって身体機能の一部を失うことはたいていの場合、個人にとってその後の活動を制限される痛恨の出来事だろう。しかし、ある種のケースでは、身体の機能の一部を失ったことがきっかけとなって新たな能力が開花することもあるようだ。8月11日付けの「Wired」には、てんかんの治療で側頭葉の一部を切除した女性が術後に優れた「共感能力」を獲得したという驚くべきケースを紹介している。
■脳手術後に「超共感能力」を獲得

スーザン(仮名)さんは、2歳の頃からてんかん性発作を患っており、右側頭葉の局所療法と投薬によって17歳までは症状が抑えられていたが、その後の症状は深刻になり制御できなくなり、神経外科医は彼女の側頭葉の一部を除去したということだ。
この手術でてんかんの発作を緩和できると医師は期待し、そして実際にその通りになったのだが、予期せぬ効果もまたあった。なんと、手術後、スーザンさんは他人の感情を汲み取る能力が高まったというのだ。また身体的な感覚機能(五感)の働きが明らかに向上した経験を何度も味わっているという。
この脳外科医の証言を受け、現在37歳のスーザンさんに対して、フランスの研究チームは入念なテスト繰り返した結果、彼女は「超共感能力(hyper empathy)」を有しているという結論に達し、昨年から研究論文を章に分けて発表しているのだ。
■どんなテストを行ったのか?
フランスの研究チームは彼女に様々な神経心理学的検査を行った。心の状態を推し量るために多義にわたる質問がなされ、彼女の優れた共感能力を明らかにしたという。
他人の現在の心境を、目をのぞき込むことで特定する能力(読心術)を測る「目を見る読心術テスト」では、スーザンさんは共にテストを行った10人の健康な女性よりも優れた成績を残した。
また研究チームは現在の心理学の分野で広く検証されている「心の理論(Theory of Mind、他者の気持ちを察する共感能力)」がスーザンさんの能力に適用されるのかどうかを調べるために「誤信念課題(false-belief task)」というテストを行ったが、これに関しては他の被験者と同程度の成績しか残せなかったという。
つまり従来の「心の理論」ではスージーさんのケースは説明が難しいということで、研究チームは新たな概念である「情緒的共感能力(Affective Theory of Mind、他者の感情を察する共感能力)」の向上がスーザンさんの中で起こったと説明している。
研究チームのリチャード・モナス博士とその同僚によれば「脳の扁桃体と海馬を切除した後に「超共感能力」を獲得するスーザンさんのようなケースは実に興味を惹きつけられます」と語り、除去手術によって再構築された脳の機能が、他者への「情緒的共感能力」を高めたと述べている。
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