【冤罪疑惑】4人を殺害し、“透明”になるまで切り刻んだ偽装夫婦 ― 死刑囚・風間博子は無実か?
■暴力団関係者すら殺害する犯人の異常性
離婚して、風間は「ペットショップ中心」。関根は「万吉犬舎中心」となり、仕事での行動もほとんど別になっていた。
事件のあった93年7月21日。熊谷は、数十万人が集まる、うちわ祭りの真っ最中だった。風間はこの日、犬の治療のため、珍しく万吉犬舎に訪れた。祭りによる交通規制で渋滞があるため、移動はバイクで行っている。
ペットショップに戻った風間のところに、午後6時半頃、関根が来た。関根は「高田組組長代行の家に行っているので午後10時頃迎えに来てくれ」と、風間に頼んだ。この時、関根は「今日、組長代行の遠藤安亘さんと、一緒に居るだろう付き人の和久井奨さんを殺害しよう」という計画を持っていた。
ごく普通の犯罪者なら、共謀していない者を現場に呼び寄せることなどしない。しかし関根は、30人以上を殺めてきたシリアルキラーだ。連続殺人者は5~6人ほどを殺めて捜査の手が及んでこなければ、自分は捕まらない、という自信を得る。そのうちに、生命を自由に左右できるからと、自分を「神」だとまで思い始める。関根も「自分は神の伝令で動いている」と山崎に語っていた。
関根の殺害動機は、1件目の殺人を知った遠藤氏が、彼を強請ってきたためだ。関根は、自分には不可能はない、と思っていた節があるが、暴力団の組長代行をその自宅で殺すなど、きわめて大胆不敵だ。
ちなみに、1件目の被害者が関根とのトラブルがあったことを遺族は知っており、警察に届け出ている。万吉犬舎などはすでに警察の監視の下に置かれていた。それをかいくぐっての犯行である。
そして関根は、この際に自分から離れていこうとする風間を、共犯者に仕立てようとしたのだ。
夜になって交通規制が解かれていたため、風間は自分の愛車・クレフを運転して、約束の時間に遅れた午後10時半頃、遠藤宅に着いた。すでに関根と山崎は居た。家に入ると、しばらくして遠藤さんが苦しみだした。毒物を飲まされていたのか、やがて絶命する。和久井氏は、家では薬効が現れず、カリーナバンの中で絶命した。
2人の死を目の当たりにして、風間は動転する。日頃から感じていた、関根への恐怖もあったであろう。命ぜられるままに、2人の遺体を乗せたカリーナバンを運転した。風間のクレフは山崎が運転し、カリーナバンを先導。遺体解体場所となる、山崎の家のある群馬県の片品に向かった。
遺体を車に乗せて運んだことは、死体損壊遺棄罪にあたる。風間自身がそれは認めている。いくら脅されてのこととは言え、この罪について刑罰を科せられることは当然だ。
だが問題は、風間が殺人まで行ったのか? ということだ。
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2024.10.02 20:00心霊【冤罪疑惑】4人を殺害し、“透明”になるまで切り刻んだ偽装夫婦 ― 死刑囚・風間博子は無実か?のページです。風間博子、埼玉愛犬家連続殺人事件、シリアルキラー・連続殺人鬼シリーズなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで