人工子宮 ― 女性が出産から解放される日
代理母すらも不要に!? 2034年、人工子宮で人類が出産から解放される日
日本人の晩婚化と出産年齢の高齢化に依然として歯止めがかからない。それまでは意識されてこなかった「卵子、精子の老化」問題も数年前から話題にのぼるようになり、社会に大きな衝撃を与えている。その一方、体外受精や代理母による出産は徐々にではあるが着実に普及しているという現実もある。出産をめぐるこのような状況のなか、なんと今から20年後の2034年には「人工子宮」による出産が実現していると予測する識者の発言が話題を呼んでいる。
■20年以内に「人工子宮」が実用化される!?

注目を集めている発言とは、アメリカの作家で未来学者のゾルタン・イストバン氏が、情報サイト「VICE」に寄稿した記事の中で述べたものだ。
イストバン氏は「この分野での技術進歩は予想を超えて早く進んでいて、今から20年以内に人工子宮による妊娠と出産が実現し、30年後には幅広く浸透しているだろう」と、同意見を持つ各界の識者を代表して述べている。
実際に人工子宮の研究開発は着実に進められていて、順天堂大学の桑原慶紀教授の研究チームが合成羊水を満たした容器の中でヤギの胎児を育てることに成功したのは2002年、もう12年も前のことになる。翌2003年には、コーネル大学のヘレン・リュー教授のチームが、人工的に培養した子宮内膜の組織を貼りつけた試作段階の人工子宮の中で、ネズミの胎児を懐胎から出産直前まで育てることに成功している。そして先頃、ヘレン・リュー教授はなんと人間の受精卵を人工子宮の中で10日間生育させたということだ。ちなみに法律によって人間の受精卵は受精後14日までしか研究に利用できないことになっているため、実際には人工子宮の中でもっと長期間の「妊娠」が既に可能であるのかもしれない。
人工子宮はドイツでも研究が進められている。早産によって保育器で育てられた新生児は感覚器官の発達が不十分になる傾向があることから、それを解決すべく母親の胎内環境を人工子宮内で再現するシステムの研究開発がホーエンシュタイン研究所で現在進行中である。
人工子宮の研究を1924年からはじめていたイギリスの生物学者J・B・S・ホールデン(1892~1964)は、2076年には出生児の30%は人工子宮から生まれると予測していたが、どうやらその予想よりも現実は早く進んでいるようだ。
■生殖医療に対する根強い批判
もちろん、人工子宮の設計は非常に複雑であるため今後も詳細な研究が必要とされるが、実現はもうすぐそこの段階にまで来ていると言ってよさそうだ。まさにSF小説的な夢のような話であるが、この夢を実現するにあたっての障害はもはや技術的問題ではなく、むしろ我々の文明を反映する倫理的問題の数々であるという。
現在話題を集めている「代理出産」であるが、皮肉にも人々の間に制度そのものに対する根強い批判があることもまた一連の騒ぎで明らかになったといえるだろう。他にも既に行われている精子や卵子の凍結保存、人工授精など、急速に進む生殖医療技術の発展とその実用に倫理的批判を投げかける声は決して少なくない。また不妊が原因で両親以外の者の精子や卵子の提供によって生まれた子供が、後に「出生の秘密」に気づき、トラウマを抱えるケースも実際多くなっていると聞く。
高齢出産や不妊に悩む人々のために開発された生殖医療の技術と制度であるが、例えば好みの人物の精子や卵子を購入して“ブランド児”を出産しようとすることなど、今後は別な意図を持って生殖医療を利用する者が続出する可能性も拭い去れない。

記事によれば人工子宮に対する具体的な批判として、「“お腹を痛めず”生まれた子供に深い愛情を抱けるのか?」という声がもっとも大きいだろうとイストバン氏は考えているようだ。そしてこのような声の裏には、人工子宮の誕生によって社会におけるこれまでの“女性観”が大きく変貌してまうことに対する危惧があるという。厳格なフェミニストとして知られる南メイン大学のジュリアン・マーフィー氏は、「体外出産(人工子宮)は女性の神聖な能力を放棄することであり、現在フェミニストたちの激しい反対の声を巻き起こしています」と述べている。
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