「あの神様だけはナメちゃいけない」オカルト研究家が選ぶ、日本最強のパワースポット「神戸市 氷室神社」 !

事例その2 お賽銭を入れなかったA氏、電車に轢かれる

 僕の恋愛成就により、仲間内ではこぞってれんあい弁天に手紙を出すようになりました。とはいえ東京在住の我々では、神戸に赴くのも一苦労。前述の神戸の友人に手紙を持ってきてもらい、それに記述したものを、また神戸に帰って投函してもらうようにしていたのです。 

 その中に、Aくんという男性がいました。Aくんが手紙に書いた内容は、「少し前に別れた彼女とヨリを戻したい」といったもの。その手紙とお賽銭を神戸の人に渡す際、Aくんがたまたま小銭を持っていなかったため、僕が200円を立て替えたのです。

「これは神様へのお金だから、他人が立て替えるのはあまり良くないかも。なるべく早く返しておくれ」

 なんとなく悪い予感がした僕は、Aくんにそう念を押しておきました。しかしそれ以降、お互い会うタイミングもなく、ズルズルと200円は返されないまま。結局、Aくんが僕にお賽銭をキチンと渡したのは、1カ月ほど後になってしまいました。

 その直後、Aくんは電車に轢かれてしまったのです。

 酔っ払ってフラフラとホームに吸い寄せられたAくんは、やってきた地下鉄に頭から追突。頭蓋骨から飛び出した脳みそが、線路の上に落ちていきました。そのまま救急病棟に搬送されたAくん。誰が見ても助からない状況ですが、その時ERにいたお医者さんは、せめて家族にキレイな姿を見せようと、がんばって脳みそを頭の中に戻しました。

するとその途端、Aくんの体は蘇生しだしたのです。

「うわあ! 生き返っちゃった!」

 本当にその通りの言葉を叫んだんだよ、と担当のお医者さんが、後にAくんに語ったそうです。

 それから数日して、Aくんは意識を取り戻しました。

(あれ? なんで僕、病院のベッドで寝ているんだ?)

 不思議に思っているAくんを、心配そうに覗き込む顔が2つありました。1人はAくんのお母さん。そしてもう1人は、別れた彼女だったのです。…こうして元カノとのヨリを戻したAくんは、その後、何の後遺症もなく元気に生活を送っています。しかし、電車にはねられるという大事故にあったことは事実。我々はそれを「れんあい弁天の祟りだ」と畏れおののいたのです。たかだかお賽銭200円を払うのが1カ月遅れただけですが、神様に人間の感覚は通じません。とはいえ、直前に200円を返しておいたおかげで、ぜったい死ぬはずの事故で死なずにすんだ、という見方もできますが。


注意:れんあい弁天に書いた人が現れるまで待たねばならぬ

 その他にも、れんあい弁天の祟りにあった事例は僕の周囲で数多く存在します。例えば、付き合いたい恋人の特徴を「愛の手紙」に書いて出しておきながら、それとは違うタイプの異性にアプローチしたり、うっかり恋仲になったりした人も何人かいました。すると100%の確率で、恋が実らなかったり、すぐに破局となった上、かなりの不幸に見舞われてしまうのです。

 しかしキチンと手順を踏んで、「愛の手紙」に書いた通りの人と付き合う意思を固く持っていれば大丈夫。ほぼ確実に結婚にまで辿りつきます。もっともそこまで上手くいった人は、僕を含めて2人だけ。後はだいたいヒドい目に遭っている人ばかりですが……。まあ、一歩間違えれば祟られるということは、すなわち「れんあい弁天の神通力は確か」という事実を逆証明していると言えるでしょう。
 
 そんな強力な神様なので、甘い気持ちでの願い事はオススメしません。ただ、「どうしても付き合いたい人がいる」「もう人生を賭けてでも本当の出会いが欲しい」と、追いつめられるほど真剣に願っている人なら、チャレンジしてみてもいいでしょう。

 その際、以下の注意点は絶対に守ってくださいね。一つは「愛の手紙」に書いた通りの人としか付き合わないようにすること。そしてもう1つは、お賽銭200円を、必ずその場で支払うようにすることです……。

「あの神様だけはナメちゃいけない」オカルト研究家が選ぶ、日本最強のパワースポット「神戸市 氷室神社」 !の画像5

■吉田悠軌(よしだ ゆうき)
怪談サークル「とうもろこしの会」会長。怪談やオカルトを「隠された文化」として収集・研究している。著書に『放課後怪談部』『ホラースポット探訪ナビ: 日本全国のヤバイところに行ってきた!』(学研パブリッシング)。編集長を務める同人誌『怪処』ではオカルト的な場所を広く紹介。
 
怪処HP

文=吉田悠軌(よしだ ゆうき)

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

人気連載

現実と夢が交差するレストラン…叔父が最期に託したメッセージと不思議な夢

現実と夢が交差するレストラン…叔父が最期に託したメッセージと不思議な夢

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.11.14 23:00心霊
彼女は“それ”を叱ってしまった… 黒髪が招く悲劇『呪われた卒業式の予行演習』

彼女は“それ”を叱ってしまった… 黒髪が招く悲劇『呪われた卒業式の予行演習』

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.30 23:00心霊
深夜の国道に立つ異様な『白い花嫁』タクシー運転手が語る“最恐”怪談

深夜の国道に立つ異様な『白い花嫁』タクシー運転手が語る“最恐”怪談

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.16 20:00心霊
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.02 20:00心霊

「あの神様だけはナメちゃいけない」オカルト研究家が選ぶ、日本最強のパワースポット「神戸市 氷室神社」 !のページです。などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで