謎の深海生物「エイリアン・マッシュルーム」が遂に新種認定! 種の系統樹覆す可能性も

 遡ること約30年前、1986年にオーストラリア近海でキノコ型の奇妙な生物2種が発見された。過去に類を見ないその外見から“エイリアン・マッシュルーム”とも呼ばれていたが、最近になってようやく命名、登録されたという。


■現存する古代生物か!?

 科学誌「PLOS ONE」によると、この2種類の生物は完全なる新種だという。

 それぞれ「デンドログランマ・エニグマティカ(Dendrogranma enigmatica)」「デンドログランマ・ディスコイデス(Dendrogranma discoides)」という学名がつけられた。

謎の深海生物「エイリアン・マッシュルーム」が遂に新種認定! 種の系統樹覆す可能性もの画像1画像は「YouTube」より

 専門家によると、およそ6億年以上前に存在し、絶滅した古代生物群に似た特徴を持っているとのこと。だが現存する動物、生物のどの分類にも属さないそうだ。

 フロリダ大学で海洋生物の研究をしている、神経生物学者のレオニッド・モローズ氏は、これら新種がもし古代生物の子孫であれば、種の系統樹を完全に覆す可能性を指摘している。目に見える形で現存する、初めての古代生物となりうるのだ。

■この30年間の捕獲数はゼロ

 発見されたのは水深400~1,000メートルの深海で、大きさは2センチほど、体は半透明で、キノコの柄のような部分は口にあたり、円盤状の傘にかけて伸びる管状部分は消化器官だという。小さくて単純な構造の口から粘液を出して、微生物を捕らえて食べているようだ。クラゲに良く似た外見だが縁戚関係(有櫛動物門、刺胞動物門)ではないという。

 残念ながら、採取された際にホルマリン漬けにされた上にエタノールに浸されて保存されてしまったため、遺伝子解析がほぼ不可能になってしまった。

 実は1986年の発見以降、一度も捕獲されていない。目撃証言もなく、まさに謎そして幻の生物なのである。再び姿を現し、解明される日が来るのを待とうではないか。
(文=Maria Rosa.S)

参考:「Mashable」、「PLOS ONE」ほか

関連キーワード:, , , ,

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

人気連載

『十物語の代償』修学旅行で招いた忌まわしき怨霊の執念【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

『十物語の代償』修学旅行で招いた忌まわしき怨霊の執念【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.07.24 20:00心霊
人魚が守る島の掟と宝【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

人魚が守る島の掟と宝【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.07.10 20:00心霊
「三途の川を見に行く方法」対岸に立つ存在の正体とは…時を経て現れた闇の存在【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

「三途の川を見に行く方法」対岸に立つ存在の正体とは…時を経て現れた闇の存在【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.06.26 20:00心霊
夕暮れ時の「目玉の雨」高校教師が語る戦慄の恐怖体験【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

夕暮れ時の「目玉の雨」高校教師が語る戦慄の恐怖体験【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.06.12 20:00心霊

謎の深海生物「エイリアン・マッシュルーム」が遂に新種認定! 種の系統樹覆す可能性ものページです。などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで