【進化の謎】8カ月間の訓練で魚が陸上歩行?水中から陸上生活に移行するプロセスが実験で明らかに!!
■人の手で“進化”を起こせるのか!?
「陸上で育った魚は歩き方がとてもうまくなりました。胸ビレを身体の中心線に近づけるように動かし、頭を高く上げるようにもなりました。そして余計な動きで地面を滑ることが少なくなりました」と研究者チームのリーダー、エミリー・スタンデン氏は語っている。
歩行テクニックが向上したばかりではなかった。この8カ月間で、彼らの身体にも変化が起こったのだ。解剖の結果、陸上で育った個体は胸ビレの形が変わり、水生の個体よりも長く強靭に成長したということだ。そしてまた、頭と胸ビレの可動域が広がったのだという。
「身体に現れたこの変化はとても重要なものです。なぜなら水の中のように容易に身体の向きを変えられない陸上で生活するためには“首”が必要なのですから。首があることによって、頭を単独で動かすことができます」とスタンデン氏は主張する。頭の可動域が向上したことは、陸上生物の首の形成に繋がる徴候であるということだ。
この研究は、生物が環境に適応して身体構造を変えるプロセスを把握した初めての研究になるということだ。現在、研究チームはポリプテルス・セネガルスにさらに長期間の陸上生活をさせてみることを計画しているという。そしてもし実験期間中に繁殖させることができれば、世代を重ねた研究も可能になる。果たして近い将来、実験室の中で劇的な“進化”の瞬間を目撃できるのかどうか、ここは気長に待つことにしたい。
(文=仲田しんじ)
参考:「Popular Science」、「Verge」ほか
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