知らないと恥! 本当は怖いお正月!! あなたは一体何に拝んでいる?

知らないと恥! 本当は怖いお正月!! あなたは一体何に拝んでいる?の画像1画像は、Lanterns at Meiji Jingu at midnight on New Year’s Day / john_v_mccollum (Flickr, CC BY 2.0)

 今年もあと少し。「正月は何をしようか?初詣はどこに行こうか?」などと考え始めている方も多いのではないでしょうか? そこで1つ質問があります。

 正月って、「何に拝んでいる」のか知っていますか?

 初詣でお寺やお宮の神仏に拝むのはわかります。でも、「鏡餅」とか「正月飾り」って、単なる装飾ではなくて宗教的な意味もありそうですよね? 正月は新年ですし、おめでたい感じがすることから「新年」を拝んでいるのでしょうか? さて、「一体、何に拝んでいる」のでしょうか?

■あなたが拝んでいるのは「死霊」です

 これから書く話は、民俗学での有力な説に基づいたものです。

 正月に拝んでいるもの、それは「死霊」なのです。

 日本人にとって正月とは、新年が明けることで「この世界」と「死者のいる世界」の境目が曖昧になり、祖先や、様々な形で亡くなった「死霊」が山や異界から里へ街へと降ってくる、特別な時間だと捉えられてきたのです。

 地方の伝統によっては、正月に来るものは「歳神様(としがみさま)」であったり、死霊そのままの「祖先の霊」であったりしますが、ほとんどの地方の伝統の中で、正月に来るものの姿には「死者の霊=死霊」の特徴が見られるのです。

 少し昔までは、正月は「死霊」を迎える時間であり、「初詣」とは死霊に向かい合う時間である、ということがもっと明確に意識されていました。江戸時代には、「年男」とされた一家の長男などが何日も水ごり(冷水を浴びる修行)などをし、厳粛に新年を迎えていたのです。なんとオカルトな雰囲気なのでしょうか。

■「正月」はお葬式?

 そして明治時代以後、「初日の出」が日本の富国強兵の象徴とされたため、正月は明るい行事だというイメージが強くなってきました。しかし、今でも私たちの生活には、正月は死霊をお祀りし、共に過ごすのだ、という価値観が色濃く反映されています。

 たとえば、正月は実家に帰り、家族とともに過ごす方は多いですよね。また、親戚がたくさん家に来る方も多いでしょう。その時には和服などフォーマルな服装になることもありますよね。

 これって、何かに似ていませんか? …そうです。葬式です。我々は、そうと意識をしていなくても、明らかに死霊の祭りとして新年を迎えており、その習慣はとても強く残っていると言えそうです。

「古代人の世界観」を表す神話学の研究を見てみると、こういった習慣の意味合いは、もっと明らかになってきます。

 そもそも新年というのは「暦が最初に戻る=世界が新しく始まる」ということを意味しています。これは世界中の新年の祭りがそうなのです。世界が新しく始まる時というのは、生と死の境目も曖昧になる、マジカルタイムだということ。

 たとえば、ラテンアメリカでは新年に、「死霊が来る」という意味を持つ、魔物が躍る祭りが様々な形で行われていますが、同じ伝統はヨーロッパでも見られます。つまり、正月には死者が復活するということです。そして、生きるものとともに過ごすため、生きている我々は死霊を丁重にお迎えする、ということなのです。

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