ストーカー事件において“刑事の勘”は当てにならない! 被害者が本気で考える、ストーカー対策
■被害者遺族だからこそわかる、本当に考えなければならないこと
・ストーカー行為を止めるために、加害者の心を探る
「被害者は加害者を罰してほしい、という気持ちがあるだろう。しかし、そんな場合じゃない。罰なのか? 行為を止めるのか? どちらか1つなら、ストーカー行為を止めることです。だとすれば、加害者更生という方向しかありえない。そうした視点をなしに議論しているような気がする」
では、加害者にどう対応すればいいのだろうか?
「逗子の事件の加害者Aは教員であり、“いわゆる犯罪者”の像とは違う。だから、『デカの勘』は利かない」また、「民事不介入ということもあり、規制法ができても警察が対応できないのが現状」そのため、「どの事件でも、同じように危機感を共有し、現場のばらつきをなくすためには、マニュアルに基づく一元的な管理が必要だ」と芝多さんは指摘している。
つまり、危険度を把握するためのチェックリストを普及させる必要があるというのだ。ただし、チェック項目が多すぎると、現場の負担になる上、知り合うきっかけがネットの場合は、相手をよく知らない場合もあり、リストでは不十分であるケースも出てくる。
「逗子事件の場合、保護司は大丈夫だと思っていた。しかし、事件は起きてしまった。加害者の心情をわかるとしたら、カウンセラーかもしれない。もちろん、守秘義務が強いのはわかります。せめて、カウンセラーによるモニター機能を果すことはできないだろうか」(芝多さん)
加害者の更生プログラムをも念頭にいれながらの、警察批判に偏らない、被害者遺族の呼びかけで始まったストーカー対策はまだ始まったばかりだ。
(文=渋井哲也)
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