エイリアンは赤くて暗い星にいる ?― 5分でわかる、赤色矮星の謎
宇宙のどこかに我々のように高度な知能を持った生物はいるのだろうか――。
地球外知的生命体探査は、主に我々の太陽と同じか、同等の大きさの恒星を中心に行われてきた。我々が太陽から恩恵を受けて繁栄できたのだから、エイリアンもきっと太陽と同じような恒星を周る惑星に住んでいる違いないと、考えるからだ。
しかし、ここで視点を少し変えてみてみると、もっと地球に近くて生物が棲みやすそうな星がたくさんある。「赤色矮星」という、うす暗い電球のような小さな恒星だ。
■赤色矮星とは?
星空を見上げてみよう。美しくキラキラ光る星たちは、太陽の10倍以上もの大きな星で、何千倍も明るい。だからこそ夜空を飾っているのだ。その一方でいくら目を凝らして夜空を見ても見えない暗~い星がある。それが「赤色矮星」。小さくて、赤くて、暗い種類の星々だ。例えば、質量が太陽の10分の1の赤色矮星は、明るさは太陽の0.08%しかなくものすごく暗い。そんな「赤色矮星」にこそ、エイリアンが棲んでいる可能性があるという驚きの研究が「Astronomy 2014年2月号」に掲載されていた。筆者の解説をつけながら説明していこう。
■地球から近いのに見えないほど暗い
まずは、赤色矮星の暗さだ。例を出してみよう。太陽系から6光年しか離れていない「バーナード星」は、みかけの明るさ視等級が9.5等級。ケンタウルス座プロキシマ星は4.23光年とさらに近いが11等級とほとんど見えない。(※等級が増えるほど星は暗くなる。)しかしながら、赤色矮星はとても地球に近いのにもかかわらず、肉眼で見えないくらい暗い。しかしその反面、圧倒的に数が多い。驚くなかれ! 太陽系近辺の星のうち実に74%はこの赤色矮星なのだ。さらに銀河系の大多数を占めている。
それなのに地球外知的生命体を探査している科学者は、赤色矮星には無関心だった。それはなぜか? 赤色矮星には、特有の生物が棲みにくい8つの条件があると考えられているからだ。
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