人工知能は人類を超えるか? SF好きは絶対に見るべき「人工知能映画」5選!

 世界的に有名な理論物理学者であるスティーブン・ホーキング博士が、TV局のインタビューで、「我々(人類)が手にしている原始的な人工知能は、人間社会に有益な効果をもたらしている。しかし、完全な人工知能の開発は、人類の終局をもたらす可能性がある」と語ったことが昨年話題になった。

 この発言に対し、AI技術に携わる科学者の間では、「人類はコンピュータに支配されるかもしれない」という意見と、「地球を支配した人類のワイルドさは、機械ごときに負けない!」という意見に分かれ、論争が巻き起こっている。

 そこで今回は“人工知能が反乱を起こす映画”を紹介してみたい。

■『2001年宇宙の旅(1968年公開 原題:A Space Odyssey)』

人工知能は人類を超えるか? SF好きは絶対に見るべき「人工知能映画」5選!の画像1画像は、アマゾンより『2001年宇宙の旅』ワーナー・ホーム・ビデオ

 SF映画を語る上で、絶対に外すことのできない作品。1968年製作ということは、当然CGなんてなかった時代だ。にもかかわらず、これほどリアルな宇宙空間を描いたのは驚くばかりである(あまりにもリアル過ぎて、全く音のない宇宙空間などは、逆に違和感を覚えるほど)。

 コンピュータの反乱そのものはメインストーリーとは言えないが、物語後半の大きな山場になっている。

 木星探査船をコントロールするコンピュータ「HAL9000」は、“思考するコンピュータ”であり、まさにAIだ。そのHAL9000がなぜ人を襲うことなったのかは、物語の中でハッキリ明言されておらず、マニアの中で今でも論議が交わされている

 ただ、この映画のパンフレットに

「もし、この映画が一度で観客に理解されたら、我々の意図は失敗したことになる」

と書かれている通り、この作品は非常に難解な物語であり、コンピュータの反乱はその複雑なストーリーのひとつのシークエンスなのである。

 ちなみにHAL9000のデザインは、当時IBMが開発していたスーパーコンピュータをモデルにしている。

 映画製作開始当初、IBMはは全面的に撮影に協力しており、ロゴのついた機器が大道具や小道具にも使われていた。

 しかし“コンピュータが人を殺す”というシナリオを知ったことで、撤退。ロゴもほとんど消されているが、一部に残されている。ヒマな人は探してみよう。

■『地球爆破作戦(1970年作 原題:Colossus: The Forbin Project)』

人工知能は人類を超えるか? SF好きは絶対に見るべき「人工知能映画」5選!の画像2画像は、『地球爆破作戦』ジェネオン・ユニバーサルより

 一般的にイメージする“コンピュータ反乱モノ”としては、最古の映画だろう。SF小説『Colossus』の映画化で、比較的原作に忠実な作品となっている。

 ただ、当時の配給会社は何を考えたのか『地球爆破作戦』などと、内容が全く想像できないタイトルをつけてしまったせいで、劇場公開時にはあまりヒットしなかったといわれている。

 内容は、アメリカとソ連(現:ロシア)が、核ミサイルを多量に装備して睨み合う、東西冷戦時代と言われた頃の話で、アメリカがミサイルの発射だけではなく、軍のコントロールを行う自律型の超スーパーコンピュータ“コロッサス”を開発し、その試運転を始めたところから物語ははじまる。

 映画公開当時、インターネットはなかったが、その原型である「ARPANET(世界で初めて運用されたパケット通信ネットワーク)」は本格的に開発が始まっており、コンピュータ・ネットワークという発想はあった。そんなわけでコロッサスは試運転を開始すると、通信回線を利用して次々と情報を収集していくのである。

 試運転は成功だと思われた矢先、コロッサスは地球上に、自分と同じ目的と能力を持ったコンピュータ“ガーディアン”の存在を見つけてしまう。

 ガーディアンはソ連の開発した超スーパーコンピュータで、人間の考える事なんてみんな同じだと思わせるわけだが、重大な問題が発生してしまう。

 コロッサスとガーディアンが直接情報交換をし始め、意気投合してしまうのである。人間たちはコロッサスとガーディアンの接続を強制的に切断しようとするが、コンピュータたちは止めず、人類に反抗するのだが…

 この作品は、以後のコンピュータ反乱モノのフォーマットとも言える展開だが、開発した科学者がガーディアンと対話するコロッサスに対し、

「直径10センチのボールの円周率を計算しろ!」

 と言って、コンピュータの興味を反らすシーンなんかはなかなか面白い。

 今観るとブラウン管のモニタや、ドットが荒すぎる電光掲示板など、機器の未来感はないが、シチュエーションそのものは秀逸で、リメイクされるという噂が何度もささやかれている作品だ。

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