――新作の『凍蝶圖鑑』について教えてください。
田中 『凍蝶圖鑑』は、2014年2月にパリ、3月にスイス、4月に神戸、7月に大阪・京都で公開。今年1月からは東京で上映しています。反応は日本も海外も同じ。違うのは制度的にフランスと日本を比べた場合に、フランスの方がマイノリティーや芸術について声の行き届いた法律があるということ。国内・海外を問わず、非常に美しい映画と評価されたのは嬉しかった。撮影するきっかけは、本作にも登場する大黒堂ミロさんが変態ばかりが集まるバーを経営していて、そこで「なんで私たちを撮らないの」って言われたから。だけど、僕は変態とか知らないから、参考になる映画があるかシモーヌ深雪さんに訊いたら、国内では中島貞夫監督の『にっぽん’69 セックス猟奇地帯』、海外では『モンド・ニューヨーク』(87)くらい。間違いなく二番煎じにはならないから作ってみようかな、と。あと、モザイクのを入れるは絶対に嫌だから、顔を晒け出すということが絶対条件として出演者を探したら、皆、イヤと言わなかったので、これならイけるな、と。