超天才サルヴァドール・ダリの意外と知らない10の秘密・後編!

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■【10】ダリが愛したロック・スター

0220daliddali_main05.jpg※イメージ画像:『閉ざされた世界』アリス・クーパー

 ダリには交友のあるセレブが大勢いた。エルヴィス・プレスリージョン・レノンデヴィッド・ボウイパブロ・ピカソ…。その上、あの精神分析の元祖として知られるジグムント・フロイト博士まで。しかし、おそらくなかでも一番奇妙な「おともだち」は、あの伝説のロック・シンガー、アリス・クーパー(Alice Cooper/1948─)だったにちがいない。

 ちなみに、クーパーは男性だ。アリスという可愛らしい名前はギャップを狙った芸名で、実際、彼の写真を見ると、その怪異な風貌にショックを受けかねないほどだ。

 さて1973年、ダリは、はじめてアリス・クーパーのことを小耳にはさんだ。なんと自分の作品に触発されて、ステージを続けているロックンローラーがいるというのだ。次第に興味は募り、ひとたび公演に駆けつけるやぞっこんファンになってしまったダリは、とうとうクーパーとそのマネージャーに会いたいと申し出た。

 クーパーによると、二人の最初の出会いは実に珍妙なものだったらしい。クーパーのオフィスに、ある日、ひょっこり姿を現したダリはキリンの毛皮のコートをひっかけ、エルヴィスからもらったキラキラの靴下に、巻き毛のついた弾性ブーツを履いていた

 まず、ダリは一杯のお湯を所望すると、ポケットから蜂蜜の小瓶を、別のポケットからハサミを取り出し、どういうわけか、滴る蜂蜜をハサミで断ち切ろうと悪戦苦闘を続けるのだった。そのかたわらに、ローブに身を包んだ美しいティーン・エイジャーをいわば侍女のように侍(はべ)らせて─。そして彼女は一言も口を聞かずに、ただダリの所業をみつめている。

 クーパーとマネージャーの心配をよそに、事態はその後、ますます奇妙な方向に雪崩落ちていった。やがてダリは、ほんものの蟻たちがうろちょろと這いまわるチョコレート・エクレアの載った石膏彫刻(それはダリの脳髄という触れ込みだった)を取り出して、クーパに手渡した。

 そして厳かな口調で言った。「君をモデルしたいのだが、どうだろうか?」。

 これはたぶん、ダリ流のダメ押しだったのだろう。時すでに遅し、このとき、クーパーはいわれるがまま、ダリ作の200万ドル相当のダイヤモンドがちりばめられたティアラが頭に載せられていた。なすがままだったクーパーはただ、うなずくほかなかったのだ。

 かくして生まれたものが、そのティアラを頭に戴(いただ)いたクーパーの姿を映し出す回転ホログラムだった。そこでクーパーは右手にマイク代わりに、ミロのヴィーナスの小像を握っている。

 彼はすっかり度肝を抜かれたにちがいない。絵のモデルだと思っていたのに、ホログラムのそれだったとは…。つねに最新の科学理論と先端技術に眼を光らせていたダリは、絵筆ならぬレーザー光線によって、愛弟子? を三次元映像として電子のカンヴァスに描きとめたのだった。

 さて、如何でした? 20世紀の鬼才中の鬼才、あのダリの一度も耳にしたことのないおかしなエピソードの数々…。でもダリネタはまだまだ尽きません。後日、パート2をお届けしたいと思います。ではその日まで、Au revoir!
(文・構成=石川翠)

参照サイト:「Listverse」

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