ツタヤが取り扱いを拒否!? 奇形の食人鬼映画『ヒルズ・ハブ・アイズ』ができるまでの珍エピソード
■新進気鋭の監督がリメイクするも…
それから20数年を経た2006年、フランスが生んだ新進気鋭の若手監督アレクサンドル・アジャが、ハリウッド・デビューとして『ヒルズ・ハブ・アイズ』(今度は原題どおりの邦題)のリメイクに抜擢。作品は、さすがキレ抜群のフレンチ・ホラー『ハイテンション』(03年)でメジャーになったアジャ監督だけに、前作を上回る残虐度で大ヒット。アメリカでは17歳未満保護者同伴、日本や香港では18歳未満禁止など全世界でR指定を受け、韓国に至っては上映禁止という措置が採られた。
日本では2006年夏に20世紀フォックス配給で公開が予定されていたが、核実験の被爆者が奇形の食人鬼という設定、及びベトナム戦争での枯葉剤被害者の実際の写真を使用したオープニング映像が問題視され公開中止に。のちに独立系配給会社プレディシオによって、続編『ヒルズ・ハブ・アイズ2』と共に同年の秋にR-18指定で公開された。しかし大手レンタル店TUTAYAでは、自主的に2作品の店頭での取り扱いを中止。さらに、食人鬼が死体を引きずる構図のポスターは回収され、デザインがソフトなものに変更されるという騒動も起きた。
そういった裏事情を踏まえて、『サランドラ』から順に、全4作品を連続して鑑賞すると面白いだろう。「ジョギリ・ショック」を妄想しながら。
■天野ミチヒロ
1960年東京出身。UMA(未確認生物)研究家。キングギドラやガラモンなどをこよなく愛す昭和怪獣マニア。趣味は、怪獣フィギュアと絶滅映像作品の収集。総合格闘技道場「ファイト ネス」所属。著書に『放送禁止映像大全』(文春文庫)、『未確認生物学!』(メディアファクトリー)、『本当にいる世界の未知生物 (UMA)案内』(笠倉出版)など。新刊に、『蘇る封印映像』(宝島社)がある。
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2024.10.02 20:00心霊ツタヤが取り扱いを拒否!? 奇形の食人鬼映画『ヒルズ・ハブ・アイズ』ができるまでの珍エピソードのページです。サランドラなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで