うんこ(人糞)ここにあります! 路上うんこマップを作った女性と悲しき実情=米

 皆さんは道端のうんこを踏んだことがあるだろうか。うっかり踏んでしまったが最後、なんとも言えない感触とともに、悲しい気持ちと臭いに包まれる恐ろしいものだ。だが海外では、そんな脅威を避けるのに役立ちそうな、「うんこがどこに頻出するのかがひと目で確認できる画期的な地図」が存在する。

■苦情が視覚化された地図「人間荒野」とは

 その舞台はサンフランシスコ。「人間荒野」と名付けられたその地図は、市の公共事業局に寄せられた路上の糞便に関する苦情のデータをマッピングして制作されたもので、今にも臭ってきそうな彩りによって街なかのうんこの配置状況を教えてくれる。どの地区にうんこがよく落ちているかが、一見するだけでわかるすぐれものだ。

うんこ(人糞)ここにあります! 路上うんこマップを作った女性と悲しき実情=米の画像1サンフランシスコの“うんこマップ” 「(Human) Wasteland」より引用

 制作したのはウェブ開発者のジェニファー・ウォンさん。彼女は仕事で、オンライン不動産データベースに関連する、近隣のトラッキングデータを使ったプロジェクトに携わっていた。その際、市の公共事業局のデータベースの中に、糞便に関する苦情のデータを見つけ、はじめは「なんじゃこりゃ」と思いながらも、その現状に危機感を覚えてこの地図を制作したのだ。

 できあがった地図を見てみると、そのほとんどはホームレスの多い「テンダーロイン地区」に集中している。また、ヒッピー文化発祥の地とも言われる「ヘイトアシュベリー地区」にもかなりのうんこが見受けられ、はしゃいで周りを見回しながら観光したら、瞬く間にテンションだだ下がりになることうけ合いである。地図の元となったデータは2013年のものだが、その後も2014年の6月から半年で、5,000件を超える苦情の電話がかかってきているという。


 苦情が視覚化されたことで、ウォンさんの感じた危機感がよく分かる。それは貧富の差が大きくなったサンフランシスコのホームレスの問題だ。公式には、7,500人ほどと言われているサンフランシスコのホームレスだが、実際には10,000人近くいるようで、これは日本全体のホームレス数に匹敵する。現地でホームレスを支援する団体によると、住宅価格の高騰により、ホームレスはさらに増える見込みであるという。この地図はユーモアにあふれながらも、ホームレスのためのトイレやシャワーなどの公衆衛生施設が必要な場所を明示しているのだ。

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