大学祭イベント「カマコン」は差別か? 女子大生が反旗を翻したLGBT問題をあなたはどう考える?

 渋谷区が同性カップルを「結婚に準じる関係」と認める全国初の条例を成立させて以降、LGBTをはじめとする性的少数者の話題がメディアで増えました。

 タレントの同性婚が報道されたり、文部科学省が、同性愛や性同一性障害などを含むLGBTの子どもについて、配慮を求める通知を全国の国公私立の小中高校に出したり……。しかし、まだ理解は十分ではありません。都内のとある美術系大学ではひとりの学生から始まった動きによって、大学におけるLGBTの生活の改善がされた例がありました。

 この学生Aは「あえていえばバイセクシャルの女性」でした。2013年5月から、9回にわたって学内で毎週火曜日と金曜日の昼食休憩時間を利用して、ミーティングを開き、LGBTを含むさまざまな性的指向、性自認、性別違和を感じる人たちの声を聞き取りました。

 Aはこう語ります。

「私自身の問題でいえば、SNSでカミングアウトした時『ストレートの男子学生が私にどう接していいのかわからなくなってしまった』ということがありました。差別されることはなかったのですが『この問題には触れたくない』という空気がそこにはありました」

 LGBTの人々の声をヒアリングする運動をしたきっかけについてはこう話します。

A「黙っていると『差別を容認することに加担してしまっている可能性があるのではないか』と思ったんです。サークルの新歓や打ち上げでも“ホモネタ、オカマネタ”で人を傷つけていたりする場面がありましたが、そういう光景を目にしたまま黙っているのはどうなのか、と。また、ストレートの男性と付き合うと“女性らしさ”を押しつけてくる人が多くて、恋愛の場面でもストレスは多いです」

 ヒアリングの中では、こんな問題が浮き彫りになったといいます。

 ある学生は、性別に違和感があり、性別適合手術を検討して、学生相談室の臨床心理士に意見を求めた。すると、「両親を裏切ることにならないか?」と、その臨床心理士の道徳観を押しつけられてしまい、結局、相談を続けるのをやめてしまったといいます。

 また就職活動では、履歴書やエントリーシートでの性別表記や、社会的に求められる服装をしなければならないことへの心理的負担に関する声があがっていたそうです。

A「これまで、LGBTの人々が集まり、サークルやネットワークを作るという動きはなかなかありませんでした。理解し合える環境がなかったんです。でも、自分はないと困る」

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