【史上初】雷鳴の画像化に成功!「落雷を電力エネルギーとして利用できる可能性がある」
雷、稲妻、いかずち、雷様……。眩い閃光と轟音に人は恐れ、さまざまな伝説が生まれてきた。夏の風物詩ともいわれる雷だが、サウスウェスト研究所の学者が史上初となる“雷鳴放射マップ”を作成することに成功し、今後「雷」のエネルギーを電力利用できる可能性を明らかにしたのだ。古くはベンジャミン・フランクリンが雷雲めがけて凧を上げ、繋いだ絹糸からライデン瓶に蓄電したという実験は有名であるが、現代ではどのような方法を用いて雷のエネルギーを分析したのであろうか。
■現代の実験方法は…
米国科学振興団体のサイト「Science News」によると、米テキサス州・サウスウェスト研究所の太陽系物理学者マハ・ダイエ氏が“雷鳴音響放射マップ”を作成し、5月5日に行われた米国地球物理学会で発表した。
今回発表された“雷鳴音響放射マップ”は文字通り雷の音を画像化したものだが、ここまで詳細に雷鳴をマッピングしたのは史上初ということだ。
ダイエ氏は人工雷を作るため、帯電している雲に長いケブラー銅線を繋いだ小型ロケットを打ち込んだという。それに誘発された稲妻は銅線を伝い落雷、その様子を落雷地より95m以内に設置した15台の高感度マイクに記録、驚くほど正確な音響マップを作成することに成功したという。
また、今回の実験から雷鳴の大きさが雷を流れるピーク電流と比例していることも発見され、「落雷を電力エネルギーとして利用できる可能性がある」とダイエ氏は主張しているのだ。
■雷を電力として利用できるか
昔から“雷から放出されるエネルギーを電力利用する方法はないものか”と研究されてはいるが、あまりにも膨大なエネルギーが放出されるため、その取扱いも厄介なのが現状である。
日本では“雷都”と言われる栃木県宇都宮市や群馬県・茨城県などの北関東が雷で有名であるが、南米ベネズエラには1回の放電量が電球1億個分、1年間に120万本もの稲妻が走るという「世界一雷の多い場所」とギネスに認定されている場所(マラカイボ湖)もあるのだ。
誰しもが経験したことのある「雷」は世界中で発生しており、放出されるエネルギーを蓄電することができれば、新たな発電エネルギーとして活用できるようになるかもしれない。
人口の増加に伴い新たな「発電エネルギー」の開発は世界各国で研究の対象である。今回の雷鳴音響放射マップは今後、新たなエネルギー開発の可能性を秘めた未来地図となるのだろうか。
(文=遠野そら)
参考:「Science News」ほか
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