死んだマウスの前足を生き返らせて、移植
【世界初】死んだマウスの前足を生き返らせて移植 ― 「脱細胞化」移植手術の驚異
世界で初めて、死んだマウスの足を生き返らせ、移植することに成功したという。再生医療にとって画期的な研究となった今回の実験はいったいどんなものだったのか――。
■免疫反応を起こさない「脱細胞化」移植

マサチューセッツ総合病院再生医療科のハラルド・オット博士率いる研究チームは、死んだマウスの前足を生き返らせ、ほかのマウスに移植する実験に成功したと「New Scientist(6月3日)」が報じている。しかも、足を移植されたマウスに免疫抑制剤を投与する必要はないという。
通常、他者の四肢や内臓などを移植した患者はその後の人生で免疫抑制剤を服用し続けなければならない。なぜなら、身体が持つ免疫機能が自分のものでない四肢や内臓を“異物”として排除しようとするため、この反応を鈍らせる必要があるからだ。
しかし、今回のオット博士の研究チームが死んだマウスから“作った”マウスの前足は、移植先のマウスにとって“異物ではないもの”に仕上げることができたのだ。いったいどうしてそんなことが可能なのか……。
キーワードとなるのが「脱細胞化(decellularize)」の技術である。
研究チームはまず、死んだマウスから切り取った前足を特殊な液体につけて細胞を全て取り除いたという。この過程を通じて出来上がるのが細胞外マトリックス(Extracellular Matrix)という構造体である。この時点でマウスの前足はいわば“抜け殻”のような、あるいは出汁を取りつくした煮干(!?)のようなものになったのだ。そしてこの脱細胞化処理を施すことによって、いったんこの前足は免疫システム上“誰のものでもない”ものになるのだ。
この前足に移植先のマウスの血管細胞と筋肉細胞を注入し、栄養分と酸素を与え続けているとこの前足はなんと生体として生き返ったのである。実験5日目からは筋肉細胞に電気的刺激を与えて発育を促し、2週間目には筋肉と血管をもった、赤ちゃんマウスほどの筋力をもった前足に“復活”した。そしてこの前足を、新たな“所有者”となったマウス(血管細胞と筋肉細胞の提供元のマウス)に移植したところ、きちんと血液が循環する身体の一部になったということだ。もちろん免疫反応などは一切起らなかったのは言うまでもない。この実験の成功によって“免疫フリー”な移植医療の実現に大きく近づいたのだ。
関連記事
人気連載
『クレイジージャーニー』出演ケロッピー前田、世界のカウンターカルチャーを追い続ける男の謎に迫る!
今夜21時からの「クレイジージャーニー」(TBS系列)は放送200回突破記念!少...
2023.01.30 17:00海外の連載夜泣きにアヘン、溺れた者には「タバコ浣腸」……今では考えられない昔の医療! 驚異の陳列室「書肆ゲンシシャ」が所蔵する奇妙な本
――【連載】驚異の陳列室「書肆ゲンシシャ」が所蔵する想像を超えたコレクションを徹...
2023.01.15 14:00歴史・民俗学アートの題材となった死体写真…アラーキーからマニアしか知らない写真家まで! 驚異の陳列室「書肆ゲンシシャ」が所蔵する奇妙な本
――【連載】驚異の陳列室「書肆ゲンシシャ」が所蔵する想像を超えたコレクションを徹...
2022.12.31 17:00歴史・民俗学小池百合子が中国利権屋になった理由とは? 中国産太陽光パネルで都民税増税&地価暴落の恐れ=ジェームズ斉藤
【連載:某国諜報機関関係者で一切の情報が国家機密扱いのジェームズ斉藤(@Jame...
2022.12.21 17:00日本2023年を人生激変の年にする開運・波動グッズ4選! 願いが叶うクリスタル、財運が向上する八卦鏡、高波動プラチナフォトン
広瀬学氏は、波動・スピリチュアルグッズの通信販売会社オプティマルライフ株式...
2023.01.20 13:00占い・開運【世界初】死んだマウスの前足を生き返らせて移植 ― 「脱細胞化」移植手術の驚異のページです。移植、仲田しんじ、再生、細胞、マウスなどの最新ニュースは知的好奇心を刺激するニュースを配信するTOCANAで
科学最新記事
人気記事ランキング更新
- ・近親相姦がもたらす“5つの障害・遺伝病”が恐ろしすぎる
- ・ブロッコリーの潜在能力を最大化する食べ方
- ・“死にかけるレベル”の整形手術を繰り返した女の姿
- ・マジックマッシュルームを静脈注射した男がヤバイ!
- ・「女性を一晩で20歳若返らせる整形外科医」が登場!
- ・15年間「野菜だけ」の女性、完全肉食に切り替え結果…!
- ・“死にかけるレベル”の整形手術を繰り返した女の姿
- ・他人の顔が“ドラゴン”に見える「イグアナの娘」現象とは?
- ・食べ過ぎれば死ぬ飲食物一覧!
- ・【閲覧注意】安全に尿道オナニーするための尿道指南!
- ・本当に呪われそうな「不気味な人形」が地下室で発見される!
- ・漫画『くそみそテクニック』のハッテン場事情はグローバルスタンダードだった!
- ・今なお未解明の「タイタニック号5つの謎」とは?
- ・フードをかぶった超自然的存在「フーデッド」とは?
- ・2023年中に「宇宙人ノジックが政府を乗っ取る」 自称タイムトラベラーが予言!
- ・ロシア鉱山地下から「石化した天使」が出現?
- ・英UFO専門家が「宇宙人は平和的ではない」と発言!
- ・幽霊になって復讐を遂げた有名殺人事件の犠牲者7選
- ・死んだ鳥、 黒い食べ物、108の花…世界の奇妙なバレンタインの風習7選!
- ・英国最強予言者クレイグ・ハミルトン・パーカーがババ・ヴァンガに反論!