シロナガスクジラの心臓の実物大模型に畏怖の念を抱く=ニュージーランド
シロナガスクジラの体長は20~30メートル(これは6階~11階建てのビルとほぼ同じ)、体重は80~190トン(大型の象16頭から40頭分)。また、舌の重量だけでも象1頭とほぼ同じ。心臓の大きさは軽自動車くらいで、なんと600キログラム程度と言われている。この大きな心臓の模型が、博物館で子どもたちを喜ばせているという。
■巨大なシロナガスクジラの原寸大の心臓模型
このビデオの中で作られているシロナガスクジラの原寸大心臓模型は、ニュージーランドの会社「Human Dynamo Workshop」の職人が、全て手作業によって生み出している。
まずポリウレタンプラスチックを手で彫刻、その後ファイバーグラスを吹き付けた後、手作業で色を付け仕上げをし、全工程に4カ月費やすということだ。重量は300キログラム、高さ1.75メートルで小型車と同じくらいのサイズ。巨体のシロナガスクジラの心臓の静脈は子供が中に入って泳げるくらいの太さ、動脈は大人が這って通り抜けられるくらいの太さだ。そのため、この模型も実際に子どもが中に入り大きさを感じ、心音も聴けるように音響システムが組み込まれている。
現在、模型は3体作られている。最初の2体は「The Museum of New Zealand Te Papa Tongarewa(ニュージーランド・テ・パパ・トンガレワ博物館)」で展示するため。そして3つめの模型は、ドイツのミュンスターにある「Landschaftsverband Westfalen-Lippe(ナチュラル・ヒストリー・ミュージアム)」へ送るために作られた。
■シロナガスクジラのホンモノの心臓!
上記の心臓模型が作られた時点では、シロナガスクジラの心臓の標本は世界に1つも無かった。そのため、捕鯨業者から入手した古い記録を使用したり、ミンククジラの心臓を参考にしたりと大変苦労したらしい。しかし、ついに本物のシロナガスクジラの心臓が採集されたのだ。カナダの「Royal Ontario Museum(ロイヤル・オンタリオ博物館)」の研究者たちは、去年ニューファンドランド沖に浮かんでいるシロナガスクジラの死体を見つけ、研究所で冷凍保存していた。そして全ての用意を整え、その心臓を慎重に解凍。そして薬品によって乾燥し、シリコンを用いてプラスチック状に仕上げ、ホンモノの心臓の展示を計画している。
なぜ、このような巨大な動物が世界に存在しうるのだろうか? シロナガスクジラの生態については、まだまだ不明な事が多い。しかし、その謎が解ける日もそう遠くはないはずだ。
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