信者急増中の「モルモン教」が、秘蔵の翻訳機「聖見者の石」の写真を公開!

 今回、モルモン教会が初めて世間に公表した小さな石の写真が各国で注目を集めている。これまで一切公の目に触れられることのなかった門外不出の“お宝”だということだが……。


■教典を翻訳した「聖見者の石」の写真が公開

「モルモン教」 と聞いて、その概要や信条にどれだけ詳しい人がいるだろうか。だが、なんとなく名前は知っていたり、聞いたことはある人も多いのではないか。

 1830年にアメリカ人ジョセフ・スミスが神の預言者として設立したもので、本部のある米ユタ州では住民の約70%が信者であり、その中には複数の同国有力議員も存在すると言われている。日本での正式名称は「末日聖徒イエス・キリスト教会」で、日本での信者数はおよそ12万人。

 モルモン教では、185年前にジョセフ・スミスが神の啓示を受け、ニューヨーク州北部にあった実家農場で、改良エジプト文字が刻まれた金版に記された書(後の教典となるモルモン書)を発見したと主張している。

 そしてその翻訳に用いられたのが、神から与えられた「解訳器(ウリムとトンミム)」と呼ばれる用具と、今回公開された「聖見者の石」であり、教会ではこの石を非常に重要なものとして保管してきていた。1800年代中頃に教徒らがイリノイ州からユタ州へ迫害を逃れて来た際も聖見者の石を片時も離さなかったという。

信者急増中の「モルモン教」が、秘蔵の翻訳機「聖見者の石」の写真を公開!の画像1新たに編纂されたモルモン教の書籍に「聖見者の石」の写真が掲載された 画像は「YouTube」より

 教会に収蔵されて以来ずっと公開されることはなかったが、つい先日ユタ州ソルトレイクシティーで開かれた総会の際に発表された書籍の中にその姿が。本の中には、様々なアングルから撮影された聖見者の石が掲載されており、焦茶色と淡い茶色がミックスされた模様と、形とサイズはほぼ鶏卵のようである。写真には日に焼けて変色した皮の小袋も写っており、これはスミスの妻の1人であり、翻訳を助けたエマが作成したものだと信じられているという。

 保管されている現地の教会歴史芸術博物館でアシスタントを務めるリチャード・ターリー氏は「この写真によって、これまで単に文字でしか語られてこなかったことが、明白な事実であったことが確認でき、史実を理解する手助けにもなります。こういった価値のある伝承物や史跡によって、教義がよりリアリティのあるものになるでしょう」と語る。

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