まったく老化しない奇妙な生物「ハダカデバネズミ」に隠された長寿の仕組みとは?

 世界保健機関(WHO)が実施する世界長寿ランキングで、数年にわたり1位の座を保っている長寿国日本だが、国民の誰もが亡くなるその日まで健康でいられるわけではない。人間なら誰しも「若々しく健康な体」を望むのではないだろうか。そんな我々を横目にいつまでも健康なまま、年を取らない生物がいるというニュースが7月20日付の「Medical Daily」にて報じられている。


■一定の年齢で止まる老化知らずの謎

 その奇妙な外見と共に、人間にとっては何とも魅惑的な特徴を持つ「ハダカデバネズミ」という生物をご存知だろうか。平均80匹、大規模なものは300匹でコロニーを形成し、地中に住む。通常は数年の寿命と言われるネズミの中で、ハダカデバネズミは約30年生きると言われている。その特徴とは年をとらない、つまり老化知らずなのだ。科学者たちはこの生物が何故、老化を回避出来るのかは解析可能だとしている。しかし、例え人間がこの特性を再現したとしても、必ずしも同じ結果が出るわけではないのだ。

まったく老化しない奇妙な生物「ハダカデバネズミ」に隠された長寿の仕組みとは?の画像1若さと美貌、とは言いがたいような… 画像は「Wikipedia」より

 科学や地球上の生物、環境についてなど様々な情報を数分にまとめた映像を提供している「ミニッツ・アース」(Minute Earth)の最新映像によると、ハダカデバネズミはロブスターや魚のメバル、イガゴヨウと呼ばれるマツ科の木などを含むいくつかの生物同様に長く生きても繁殖力を失わず、体力そのものも低下しないようだ。

 その代わり、これらの生物は成体期に達するとそこで発育が停止する。「若くいられる」と言うよりは「永遠の中年期」といったところだろうか。この仕組みについて科学者たちは、これらの生物の染色体に深い関わりがあると信じている。

 私たち人類の細胞は日々、傷ついたり欠けてしまった細胞を補うべく細胞分裂をするのだが、その度にテロメアと呼ばれる染色体の末端にある部分(DNA)が少しずつ磨り減ってゆく。そして遂にはテロメアがこれ以上DNAを失うことができなくなるところまで来ると、人体はそれ以上細胞を補うことを止めてしまう。この様子を老化と言うのである。ハダカデバネズミは、このテロメアを常に取り替えられる能力を持っていると言われ、その時点からしばらくの間、年をとらないのだ。

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