まったく老化しない奇妙な生物「ハダカデバネズミ」に隠された長寿の仕組みとは?
■老化しないとガンのリスクが高まる!?
もしも人間がハダカデバネズミのようにテロメアを取り替えられる能力を手に入れることができたらどうなるのだろうか。実はその結果は喜ばしいことばかりではないようだ。
細胞分裂を繰り返せばその中でいつか突然変異が起こることがあるが、無制限と言っていい程の回数の細胞の分裂は、細胞突然変異を起こす確率を上げることとなる。そして突然変異が頻繁に起これば起こるほど、ハダカデバネズミを含む数種の生物たちには影響しない因子によって、私たち人間のほうはガンに冒されるリスクも増えるのである。
また、他の年をとらない生物、例えば小さなベニクラゲは老化現象を永久に止めることができるだけでなく、発育段階の初期まで遡ることができる。しかしながら、もし人間が子供や青年期の成長段階まで遡る手段を見つけ実行したとしても、今までの記憶をすべて失ってしまうと言われているため、人間社会でこのようなことが起きた場合に、文明としての機能を失ってしまうことも懸念されてもいる。
だがしかし、これらの老化知らずの生物たちに嫉妬するなかれ。彼らには老化に対する免疫はあるが、死に対する免疫があるわけではない。永遠に若いのではなく、中年でいる期間が私たちよりも長いだけで、いつかはやはり死に絶えるのだ。
若々しいことは素晴らしいと思うが、年を重ねるごとに内面から滲み出る人間臭さや、それぞれの顔に刻まれたシワも生きた証として、とても美しいと思うのは筆者だけではないはずである。
「永遠の中年」も響きは悪くないが、やはり自然の摂理に逆らわず年を重ねるのが人間としてあるべき姿なのではないだろうか。
(文=清水ミロ)
参考:「Medical Daily」、「National Geographic」ほか
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2024.10.02 20:00心霊まったく老化しない奇妙な生物「ハダカデバネズミ」に隠された長寿の仕組みとは?のページです。アンチエイジング、老化、清水ミロ、ハダカデバネズミなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで