【津波・洪水】世界最大の“人工津波発生システム”が登場! 最強の水害対策!!
この巨大施設では、さまざまな“津波”を発生させることができる。嵐によるの津波、地震による津波などを正確に再現し、発生可能な波の高さは当初最大4.5mを想定していたが、先頃のテストでは5mを超える津波を発生させたということだ。開発に携わる研究者は、さらに高い波を発生させることを目論んでいるという。
“人工津波発生システム”というと、なにやら物騒だが、この施設の設立目的は、もちろん津波に関する各種データの収集や、洪水防止設備の開発・研究のためである。津波によるダメージを測定するばかりでなく、被害が想定される地域の土壌を再現し、砂や泥、小石などの流れを調べることもできるという。もちろん国内外のいずれの研究機関も、この「Delta Flume」を利用することができる。来月に控えている正式な運用開始後に、この施設でどのような研究が行なわれ、いかなる実績がもたらされるのかに注目と期待が集まっているのだ。
■2100年までに海水面は28~98センチ上昇
もともとオランダは、ライン川などが北海に注ぐ河口デルタ(三角州)を開拓して作られた沿岸地域で構成されており、13世紀から干拓を重ねて国土を獲得してきた国である。そのため、国土の1/4が海抜0メートル以下で、広い範囲にわたって常に洪水のリスクに晒されている。もちろん昔から水害には悩まされ続けており、1953年には1,500キロ平方メートルが水に浸かり、2,000人の命が失われる大規模な洪水が起っている。
したがって半ば必然的に堤防や防波堤、防潮水門などの建設に余念がないのがオランダである。1950年代から、ライン川河口一帯を高潮から守るための洪水防止施設建設を段階的に進める「デルタ計画」が1997年まで続けられた。
洪水防止施設のほかにも、オランダでは水に浮く水陸両用家屋(amphibious homes)や、高床式の建物の研究なども盛んに行なわれており、都市全体を水に浮かべる構想もあるほどだ。
ともあれ、昨今の気象変動により洪水のリスクは各地で高まっており、ユネスコの統計によれば、ここ最近は毎年世界で7,000の人命が洪水で失われているといわれ、また2013年の国連では、地球の温暖化で2100年までに世界の海水面は28~98センチの間で上昇するというショッキングなレポートも発表されている。気候変動に歯止めをかけられない以上、水の災害に対する備えもまた喫緊の課題であることは確かだ。
(文=仲田しんじ)
参考:「Daily Mail」、「BBC」、「Deltares Research Institute」ほか
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