メルカトル図法の世界地図に騙されるな! 「国の本当の大きさ」がわかるサイトが開発される
8月18日付の「Washington Post」紙などによると、アメリカ、ミシガン州デトロイトにある2つのコンピュータ関連開発会社が、地図上で本当の国土の大きさを表示することを可能にしたシステムを開発した。
■本当の国土の大きさを表示するシステムを開発
私たちが子どもの頃から慣れ親しんできた世界地図は、そのほとんどがメルカトル図法によって描かれたものだ。だが、メルカトル図法による地図の最大の欠点は、面積が視覚的に正しく表せないことだろう。北極や南極に近づくほど、すべてが拡大されて描かれていくのだ。たとえば、北極に近い島グリーンランドは、地図上では巨大な島であるように見え、アフリカ大陸とほぼ同じ大きさに描かれているが、実際のグリーンランドとアフリカ大陸を比較すると、217万平方キロと3220万平方キロと約15倍もアフリカ大陸のほうが大きい。赤道直下の面積と緯度60度では約2倍、極地近くに至っては縦に数倍、横に数百倍以上の比率で描かれてしまう。そうしたメルカトル図法の欠点をカバーするために、モルワイデ法、グード法、ミラー法などと、様々な地図投影法が開発されてきたが、メルカトル図法ほど一般には浸透していないようだ。
今回開発されたウェブサイト「The True Size of…(本当の大きさ)」では、入力された任意の国を表示し、地図上の何処へでもドラッグし、重ね合わせることができる。注目すべき点は、このサイトの地図では、地図に描かれている国や地域が同一の大きさの比率で描かれていることにある。
■アフリカ大陸はアメリカ、中国、インドが収まるほど広い
赤道に一番近いアフリカ大陸は、メルカトル法では比較的小さく描かれてしまい、その大きさを実感することはできないが、この新しいウェブサイト「The True Size of …」を利用すれば、改めてその大きさを感じることができるであろう。実際に操作してるみると、なんとアフリカ大陸は、アメリカ、中国、インドのすべて収めることができるほど巨大であることに気がつくはずである。日本の大きさはどれくらいなのか、試してみると面白いだろう。
(文=高夏五道)
参考:「Daily Mail」、「Washington Post」ほか
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